山田三郎 / 離れないから ページ38
放課後。随分日が暮れて、校舎内に響く声も少ない。
彼氏である三郎君が、日直で日誌を書いているから、それを待っていたときだった。
丁寧に書く三郎君を待つ間、一眠りすることにし、腕を枕にして机に伏せた。
「ふぅ…A、終わったよ…って寝てんじゃんか」
彼女が寝ているのを見て、呆れたような、でも嬉しそうな表情で愛おしげに寝顔を見る。
「(なんでこんな可愛いんだろ…)」
一人でそう考えながら彼女の髪をそっと撫でると、いきなり小さな嗚咽を発する彼女に驚き、目を見開く。
「A…?A、どうしたの?」
目を覚まして顔をあげた彼女は怯えていて。弱々しい声で「さぶ、ろうく、ん…」なんて呟くから、安心させるように抱き締める。
「どうしたの…」
しがみついてくる彼女は微かに震えていて、とても小さい。
「さ、ぶろう君が…ッ、置いてく、夢…」
“ 重いよね ” なんて苦笑いを溢す彼女に首を横に振り、
「その夢、僕もたまに見る。Aが離れてく夢」
“ でも… ” そう声を漏らして彼女と視線を合わせる。
「僕はずっとAのこと、好きだから、離れないし、何処にも行かない、一生側に居る」
きょとんとした顔の彼女が突然吹き出し、涙を拭く。
「ふふ、有り難う…それ、は、プ…プロポーズ……?」
顔をは真っ赤にしながら小さな声で言う彼女に、自分も恥ずかしくなる。
「ま、まぁ、そういう心算では、あったし……」
“ 間違ってない ” そう告げれば、嬉しそうに微笑む彼女。
「うんっ」
その返事を聞いて満足気な顔をして。
夕焼けに真っ赤に染まる教室の影は、ゆっくりと重なった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーナンバー
8
今日のラッキーカラー!
入間銃兎「俺の色に染まりたい?まだだな、まだ、早い」
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おやたぬき(プロフ) - Nanaさん» 嬉しいお言葉有り難うございます!プロポーズする独歩君ですね!!了解しました!!!少しお待ちください!!!!リクエスト有り難う御座います!!!!! (2018年8月29日 18時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - どれも素敵なお話でした!良ければプロポーズする独歩くんのお話 よみたいです!!! (2018年8月29日 17時) (レス) id: 47b6b0fdaf (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 公序良俗さん» 了解しました!!暫しお待ち下さい!リクエスト、有難う御座いました! (2018年8月28日 19時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
公序良俗 - すいません。リクエストで寂雷さんが嫉妬するお話お願い出来ますか? (2018年8月28日 16時) (レス) id: 75b87ef95f (このIDを非表示/違反報告)
たぬきのこ(プロフ) - 朧流水斬さん» ひぇ!!そんな嬉しいお言葉貰ってはにやけが止まりません((独歩くんのヤンデレですね…!少し御待ち下さい!!有難う御座います!!! (2018年8月25日 11時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おやたぬき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2018年8月17日 10時