【短編集】君へ。【ヒプマイ】

入間銃兎 / お酒のように* ページ32

閲覧注意(？)です。(多分)

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お金がほしい。

ただただそれだけだった筈なのだ。

悪友から薦められた方法。

やってはいけないことだとは十分分かっていた筈だった。でも。当時の私は

__バレなきゃいい。

そんな軽い気持ちで、悪友と共に夜、街へと繰り出していった。

「あのぉ、少し、良いですかぁ？」

私からとは到底思えないような声と化粧。相手を誘惑するような、服装。

相手は誰でも良かった。

けど、“ 彼らだけ ” は避けた方が良かったのかも知れない。いや、まずそんなことはするべきじゃないんだ。

「どうしました？こんな夜更けに…ああ、迷子ですか？」

赤色の手袋に七三分けの長身男性。なかなか顔はイケてるじゃないか。

なんて、無知な私はそのﾙｯｸｽに騙された。

「私ぃ、お金がほしぃんですけどぉ。そのかわりにぃ___しません？ね？」

甘ったるい声で身体を寄せながら上目遣いで話す。

相手は一度目を見張り、盛大な溜め息を吐いた。

「成る程、そういう事でしたか……」

彼はそう言って私の腕を掴みずかずかと自身の車であろう所に連れていかれる。

「ほら、入ってください、場所を移動しましょう」

そう言って紳士的にﾄﾞｱを開けてくれる彼に満足気に中へ入る。

「ふぅ……それで、貴女歳は幾つですか？どこ住みで、名前は？？」

運転席に入ってきた彼は、手帳を取り出すといきなり “ 警察のような ” 質問をしてくる。

「え……？」

間抜けな声を出した私に、彼は鋭い視線を向けながら口を開く。

「貴女…もしかしてですが、私を誰だか分からずに声をかけたんですか？」

呆れた声に体が強ばる。

__ヤバイ、警察だ……。

一瞬で身の危険を感じた私は車から出ようと扉を開ける。でも彼がそれを許してくれる筈がなかった。

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ラッキーナンバー

8

今日のラッキーカラー！

入間銃兎「俺の色に染まりたい？まだだな、まだ、早い」

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