【短編集】君へ。【ヒプマイ】

観音坂独歩 / 自分だけの朝顔 ページ28

鼻を掠める朝食の匂いで目が覚める。

身体をゆっくり起こしてみれば、所々ｽﾞｷｽﾞｷと痛む。昨日は帰ってきてそのままソファに沈んだのか…。

「お〜、独歩起きた〜？」

一二三の声に「ん」なんて声を返して顔を洗いにいく。

鏡を見て、自分の姿を見てみれば。

何度寝ても治らない隈と、何時もの通り青白い顔。そんな顔に朝から気分が下がりながらも、一二三の用意した朝食を食べて家を出る。

鮨詰め状態の電車に乗り込み、会社の最寄り駅まで向かう。

「お早う御座います…」

誰も居ない社内に向かって挨拶をして、ﾃﾞｽｸに向かう。

暫くすれば、女性社員が数人来て、喋りながらもﾃﾞｽｸに向かって行った。

朝から頭に響くその高い声に、多少の苛立ちを抱えながらも、誰のか分からない書類を片付ける。

「お早う御座います、独歩さん」

ふと、柔らかくて暖かくて、女性にしては低く落ち着いた声が頭上から振ってくる。

顔を上げて見れば、同僚であるAさん。

「お、はよう御座います…」

そう返せば嬉しそうに微笑みながら、隣のﾃﾞｽｸに座る。

彼女が動く度にふわりと薫る匂いに、変態か、なんて思いながらも癒される。

彼女は社内でもモテるから、何時も周りには男が着いてる。

けど。

彼女が優しい微笑みを見せるのは俺だけ、なんていう秘密は、

やっぱり、誰にも知られたくなくて。

そっと溜め息を吐きながらも、今日もまた朝からあの笑顔を見れたと思うと、やっぱり何処か嬉しいものがあるんだ。

____
謎((

山田二郎 / 二人でひとつの→←碧棺左馬刻 / 分かっていても

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーナンバー

8

今日のラッキーカラー！

入間銃兎「俺の色に染まりたい？まだだな、まだ、早い」

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