夢野幻太郎 / 古本と華 ページ25
小生が出会ったのは、こじんまりとした古本屋。
本棚と本棚の隙間は、人がすれ違うのも大変そうな程狭く、本がところ狭しと並んでいた。
特に特徴もないその店に、何故か引き込まれる様に入り、本を物色する。
名だたる有名作家の本から、二流作家迄、背表紙がボロボロだったり、まだ新しいものだったり……。
じっくりと本を眺め、面白そうな本を見付ければ、手に取り店主の元へと向かう。
「お願いしても宜しいですか?」
そう声をかけると、暖簾の奥から出てきたのは、渋いお爺さん…ではなく、色白のとても綺麗な女性だった。
「はい」
そう微笑んでレジを打ち始める。
「珍しいですねぇ、貴女の様な綺麗な方が古本屋を、営むなんて」
そう声をかければ、ふわりと笑みを見せながら、
「好き、なんです。本が…」
“ 祖父のお店を継いだだけですけどもね ” なんて少し恥ずかしそうに笑う彼女に少しだけ鼓動が速くなる。
「そうなんですね、小生も好きですよ」
そう言うと、「知ってますよ」なんて微笑む。本を丁寧に袋に入れ、渡しながら彼女は、
「夢野先生、ですよね?小説を書く人が本を嫌いなことなんてないと思いますから」
と微笑む。
「ふふ、バレてました?」
「最初から」
「いやぁ、隠してた心算なんですけどねぇ」
まぁ、嘘ですけど。そう言うと可笑しそうに、それでも上品に笑う彼女は、とても儚く、綺麗だった。
帰り際、
「今度、貴女をモデルにした小説を書いても?」
そう問うと、
「嘘じゃなければ」
なんて。
その日以来、小生は嘘にならないよう毎日のようにその古本屋に足を運んだ____。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーナンバー
8
今日のラッキーカラー!
入間銃兎「俺の色に染まりたい?まだだな、まだ、早い」
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おやたぬき(プロフ) - Nanaさん» 嬉しいお言葉有り難うございます!プロポーズする独歩君ですね!!了解しました!!!少しお待ちください!!!!リクエスト有り難う御座います!!!!! (2018年8月29日 18時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
Nana - どれも素敵なお話でした!良ければプロポーズする独歩くんのお話 よみたいです!!! (2018年8月29日 17時) (レス) id: 47b6b0fdaf (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 公序良俗さん» 了解しました!!暫しお待ち下さい!リクエスト、有難う御座いました! (2018年8月28日 19時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
公序良俗 - すいません。リクエストで寂雷さんが嫉妬するお話お願い出来ますか? (2018年8月28日 16時) (レス) id: 75b87ef95f (このIDを非表示/違反報告)
たぬきのこ(プロフ) - 朧流水斬さん» ひぇ!!そんな嬉しいお言葉貰ってはにやけが止まりません((独歩くんのヤンデレですね…!少し御待ち下さい!!有難う御座います!!! (2018年8月25日 11時) (レス) id: 2cb3b2c501 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おやたぬき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2018年8月17日 10時