【短編集】君へ。【ヒプマイ】

碧棺左馬刻 / 俺よりも ページ23

「じゃあな」

「うん、またね」

そう言って同級生である彼と別れる。

「もうこんな時間かぁ…」

そう呟いて、左馬刻さんの事務所へと向かう。

………

「お邪魔しま…うわわ！」

そう言って彼の事務所の扉を開けると、いきなり腕を掴まれて中に引き込まれる。

「さ、左馬刻…さん？」

扉を閉め、そこにぐっと押し付けられる。肩を掴んだ彼の顔をそっと見れば、不機嫌な顔。

「……どういう心算だよ…」

低くドスの聞いた声でそう問われる。

「え…？」

「俺より、あんな野郎の方が、良いって言うのかって聞いてんだよ…！」

まさか…

「あ、彼処に、居たの…ｯん！」

そう私が問おうとすると、唇に噛み付く様なキスを落とされる。

「ｯ…んん…はｯ、さ、左馬刻さ…ｯ」

やっと離された時には、息が切れるほど。何時もならこんなに、荒々しくない。

「左馬刻さん……もしかしなくても…嫉妬…？」

そう私が声に出すと、ﾋﾞｸｯと彼の肩が少し跳ねる。

「あ、あれは、只のクラスメート…だし、わ、私の一番は……左馬刻さん、だから……」

だんだんと恥ずかしくなり、語尾が小さくなる。

それを聞いた左馬刻さんは、にやりと口角を上げて、

「んじゃ、その証明しろよ」

未だに怖い顔をしている彼を、どう説得しようかと悩んだ末に、私はあることを思い付いた。

が、恥ずかしい。
…顔に熱が集まるのが分かるけれど、こうでもしないと信じてもらえないだろう。

左馬刻さんが溜め息を吐いて私の肩から手を離した瞬間を狙い、唇をあわせた。

「んｯ」

「ｯ…ふｯ…」

軽く唇を合わせるだけのキスをすれば、少し驚いた顔をしてにやりと笑えば「下手」だと言う。

自分からキ…スするなんて、左馬刻さんが初めてだから、恥ずかしくてうつ向くと、頭の上に手がのせられる。

そして、優しく撫でられる。

「ん、上出来だよ…悪かったな、疑っちまって…」

そう謝罪をしてくるから、

「左馬刻さん…！」

そう声を出すと、

「ま、俺を怒らせた罪は重いからな…？」

なんて言って私を抱き上げた。


__後日談__

「そう言えば、なんで左馬刻さん、私が男子と居たこと知ってたんですか？」

「んなの、てめぇのこと盗聴してたからだよ」

「え…」

「嘘だばぁか、たまたま仕事で近くに居て、見ちまったんだよ…」

「左馬刻さん……」


____
あーたろ様、如何でしたでしょうか？ちゃんと嫉妬してましたか？？
ﾘｸｴｽﾄ、有難う御座いました！！

山田一郎 / 離さないから→←FP･麻天狼 / 失恋を慰めてもらった

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーナンバー

8

今日のラッキーカラー！

入間銃兎「俺の色に染まりたい？まだだな、まだ、早い」

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