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いつもなら17時に終わるシフトでも、引き継ぎやちょっとした仕事で17時半くらいになる。
でもこの日はみんなが「早く帰れ！」と、17時に帰してくれた。
みんなニヤニヤ「ファイティン」とガッツポーズしていたのが面白い。
「おまたせました！」
彼は店内で未だに外をぼんやり見ていた。
緊張して声が変に大きくなってしまった。
私に気づくと「あ、もう時間か」と腕時計を確認する。
本当にこの人は私を待っていたのだろうか。
というか何故。
少し警戒しながらも、私は彼の後に続いて店を出た。
近くにある広々とした公園の中に入る。
そこまで無言だった。
なんだか怖かった。
「あの、えっと…」
「俺の名前、知ってますよね？」
ドキッとする。
「チョン ジョングクさん、で、間違いないですか？」
「うん、間違いないです」
彼は子どものように無邪気な笑顔で笑った。
少し緊張もほどける。
公園のベンチに並んで座った。
彼は「ふぅ」とため息をついて、私の方に顔を向けた。
「俺と結婚してくれませんか」
「……え？」
これはドッキリなんだろうか？
もしかしたら彼は新人俳優で、ドッキリ番組に初挑戦してるんじゃないのか。
カメラはどこ？
キョロキョロ辺りを見回すと、目の前のジョングクは「どうしたの」と吹き出した。
「あの、冗談ですよね？」
「冗談じゃないです」
「…」
「こんなことおかしいですよね」
「はい」
私は少し食い気味に「はい」と言った。
彼はまた笑った。
楽しそうだ。
「あの時、俺に似てると思った」
「あの時？」
「変な女にカフェラテかけられた時」
「あ、あれはカプチーノです」
「そうなんだ」
似てるって、なんだろう。
「Aさんは俺に似てると思った。でも俺に欠けてる部分を持ってるとも感じた」
「え……」
「だから、貴女が欲しいんです」
「……考えさせてください」
「まあそうですよね」
彼は嬉しそうににこにこしている。
なんなんだろう。
夢なのかもしれない。
似てるって、どこが？
貴方に欠けていて、私が持っているものって？
「これからできるだけ、毎日あの店に通うから」
「えっ」
「俺との結婚、考えてください」
私たちはこうして始まった。
その後も私は彼が何で私を選んだのか、本当の理由が分からないままである。
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う - 最高すぎる！ (2021年8月27日 0時) (
レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした！！！最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2018年8月31日 12時
