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-過去-
それから4日後、とうとうジョングクはやってきた。
何事もなかったかのように清々しい顔で。
「すみません、アイスコーヒーひとつ…」
私はその時別のお客さんの接客をしていて、レジに行けなかった。
でもレジをしていた先輩が、私に仕事を託してくれたのだ。
「A！あの人、アイスコーヒーだって」
「あ、は、はい」
「ファイティン！」
思いっきりガッツポーズされた。
見られてないよね…？
ちらっとジョングクを見ると、また窓辺の席に座ってぼんやり外を見つめていた。
「あの、おまたせ致しました…」
「ありがとうございます」
こぼさないように、慎重に。
無駄に緊張してしまって手が震えていた。
「えっと、あの…この前はありがとうございました」
思い切ってお礼を言った。
深々とお辞儀をして。
「ううん。すごいムカついたから。あの女に」
「あはは…」
「Aさん、腕は大丈夫だった？」
名前を呼ばれてドキッとする。
なんで知っているの？
名札には苗字だけ記載されている。
そんな私の気持ちを察したのか「その時に名前を呼ばれてましたよね？男の店員さんに」と彼は笑った。
「えっ！あ！なんだ、そういうこと…」
びっくりした。
なんだ、確かにソクジンさんが私の名前を読んでいたかも。
「腕はこの通り、大丈夫です」
力こぶを作るようにして腕を彼に見せた。
もう赤く腫れていない。
「全然筋肉ないじゃん」
あはは、と彼は笑って私の二の腕を触った。
「っ！」
「あ、ごめん…」
彼は顔を赤くして俯いてしまった。
「あ、いえ！全然大丈夫です！」
「今日、仕事何時に終わるんですか？」
「え？」
突然全く関係ない質問をされて私は戸惑った。
仕事終わる時間？
このお店の閉店時間のこと？
「Aさんの仕事が終わる時間」
「えっ？えっと、あの、17時です」
「じゃあ、待ってても良いですか？」
「えっ…？？」
「話したいんです」
「な、何を、ですか？」
「さぁ」
彼は面白そうに笑った。
え？
なに？？？
訳の分からないまま私は仕事に戻った。
周りの店員たちに「どうだった？」「なんか話してたよね？」と散々聞かれた。
でも「うん…」とか、曖昧な返事しかできなかった。
時計を見る。
もう16時だった。
じゃあもうすぐ私の仕事終わっちゃうじゃん…。
彼は本当に私の仕事が終わるのを待っていた。
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う - 最高すぎる！ (2021年8月27日 0時) (
レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした！！！最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2018年8月31日 12時
