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-過去-
その後のことはあまり覚えていない。
お礼を言う前にジョングクは店から出て行ってしまったのだ。
私はいつのまにか裏の休憩室にいた。
そして予備の制服に着替えて、腕を氷で冷やしていた。
「あの客は出禁」
ソクジンさんは恐ろしいほどニッコリ笑って、あのクソババアの写真を休憩室のホワイトボードに貼っていた。
そして「この女出禁！注意！」と書く。
「ごめんなさい、店長。私が間違えて…」
「いや、あの女は確かにカプチーノって言ってたよ。俺もその時レジにいたから」
「あ、そうでしたか…」
「うん。だからAちゃんは悪くないよ」
ソクジンさんの笑顔でまた涙が溢れてきた。
今は客が少ないのか、先輩や同僚も「大丈夫？」とたまに様子を見に来てくれた。
「それにしても、あのイケメン、かっこよかったよね〜〜」
ソクジンさんは目をキラキラさせてそう言った。
あ、そうだった！
チョン ジョングクに助けてもらったんだ！
「すごかったね！周りのお客さんたちなんて、拍手してたよ」
「あはは…」
「僕も拍手したかったけど、さすがにこの店の店長が拍手したらやばいかなって思ってさ」
ソクジンさんはあの時の興奮がまだ冷めないようだ。
子どものようにはしゃいでいる。
「あの人、常連さん？」
ソクジンさんが私に聞く。
「うちのメンバーズカード持ってたので、常連さんなのかもしれません」
「へぇ〜」
またこっちの店に来てたんだ。
嬉しかった。
あんなみっともない姿を見られたのは最悪だけど、助けてもらった。
それがとても嬉しかった。
思い出しただけで心臓がドキドキする。
かっこよかったな…。
顔ももちろんだけど、あんな派手なことするなんて。
「お礼言う前に居なくなっちゃったんです」
「きっとまた来るよ」
「そうですよね…」
「その時、一杯サービスしてあげなよ」
「いいんですか？」
「うん！もちろん！うちのAちゃんを助けてくれた人だしね」
やった。
それを口実に仲良くなれたりしないかな？
でも、有名人じゃないのかな？
あの人はなんなんだろう…。
その日から私の脳内はチョン ジョングクでいっぱいだった。
来店のベルが鳴るとドキッとしてしまう。
同僚や先輩も「あんなことイケメンにされたら惚れちゃうよねー」と言われる始末。
みんな私と彼が次に会うのを楽しみに待っていた。
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う - 最高すぎる！ (2021年8月27日 0時) (
レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした！！！最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラン
| 作成日時：2018年8月31日 12時
