-66 ページ16
.
Jk side-過去-
それから彼女を公園に連れて行き、告白してみた。
もちろん相手にはされなかった。
それでいい。
ここで「ぜひ！」なんて言ってくる女は普通じゃない。
戸惑いまくるAが可愛くてたまらなかった。
「俺に似てると思った」
そう言うと彼女は明らかに動揺していた。
「考えさせてください」
と彼女は生真面目な返事をした。
深々と頭を下げて。
あぁ、早く俺のものになってしまえばいいのに。
「毎日あの店に通うから」
彼女は少し嬉しそうに「えっ」と言った。
こうして俺とAは始まった。
これから自分自身がどんどん壊れて行くことに、この頃は気づかなかった。
____
俺のデスクの引き出しから、針の刺された気持ち悪い人形が出てきた。
呪いの人形というやつだろうか。
一番俺を目の敵にしている40代のハゲが面白そうにニヤニヤしていた。
またか、仕方ない。
いつもの俺はそう思って、ただ静かに仕事をこなし続けただろう。
今日は少しだけハゲを睨んでみた。
意外にもハゲはビクッとして顔を引きつらせていた。
ざまぁみろ。
人形は近くのゴミ箱に投げ入れた。
昼食はいつもビルの3階にある大きな食堂ホールで食べている。
今日はラーメンでいいや。
いつもは大盛りだけど、Aのところでドーナツを食べたいから並盛りで。
先に席を取っていたホソギヒョンの元へ。
「あれ、ナムジュニヒョンは？」
「今日は外回りだってさ。だから外で食べるって」
へえ。
いいなぁ。
ナムジュニヒョンは営業だ。
結構こうして昼間も会社にいない時がある。
サボっててもバレないのが営業だ。
この際俺も営業に転職してみようかな。
なんて馬鹿げたことを思ってみた。
「今日はいつもより明るいな」
嬉しそうにホソギヒョンは俺の頬を突いた。
「そうですか？」
「なんかいいことあった？」
「内緒です」
そう。
内緒。
Aは俺の宝物だ。
まだ誰にも教えてやりたくない。
Aは今日いるのかな。
今日はパソコンを持ってきた。
ここで仕事をするのもいいかもしれない。
誰にも邪魔されないのだから。
都合のいいことに今日は混んでいない。
Aはレジでぽけんとしていたが、俺を見るとハッとして顔を引き締めた。
「Aさんって何歳？」
聞いてみた。
「…今年で２０歳です」
知ってたけど。
だって調べたから。
ただ彼女と話すのが好きだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1263人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
う - 最高すぎる！ (2021年8月27日 0時) (
レス) id: e80e14e0ea (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 名作すぎます (2020年1月23日 3時) (レス) id: b6570be25e (このIDを非表示/違反報告)
ぺう(プロフ) - とても良かったです。 (2019年2月4日 12時) (レス) id: 8883837a46 (このIDを非表示/違反報告)
cooky - とても、感動する作品でした！！！最後、ハッピーエンドになってよかったです。けれからも、がんばってください♪ (2019年1月16日 1時) (レス) id: 13ad5ea90e (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - めっちゃ好きで、もう何回も読んでます (2018年10月24日 21時) (レス) id: f12f5d2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラン
| 作成日時：2018年8月31日 12時
