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ジョングクが起きて来たのは昼過ぎだった。
私はユンギ先生と、先生が作ってくれた即席ラーメンを食べた。
匂いにつられて起きたのかもしれない。
「ヒョン、居たんだ」
「いや、居たんだじゃないだろ。会っただろ。薬飲ませておまえに寝ろって言っただろ」
「おまえよりやばそうだな」とユンギ先生は私に耳打ちした。
たしかに今助けるべきはジョングクかもしれない。
「グガ、おまえがそんなんじゃ、またAが目覚めた時どうすんだよ」
「その時はちゃんとやる」
「ったく」
ジョングクはユンギ先生の食べかけのラーメンを我が物ヅラで食べ始めた。
先生はあまり気にして居ないようだ。
「で、どうする。いつやる」
「今すぐ」
「ま、まってください…」
まだ記憶を失いたくなかった。
なんとか引き伸ばしたい。
というか回避したい。
「せっかくだから、1日くらい、待ってくれない?」
「…」
「どうするんだよグガ」
「私、あの、まだ心の準備ができてないし…」
ジョングクはしばらく無言でラーメンを食べ続けた。
ユンギ先生と私は彼の言葉をじっと待つ。
すごく長い時間に感じられた。
「わかった。1日だけ、伸ばす」
「ありがとうグク!」
久しぶりに心から笑った。
彼は少しだけ、ちゃんと微笑んだ。
お互いに数日ぶりの本当の笑顔だった。
「俺は邪魔か?どうしたらいい?」
ユンギ先生ははあ、とため息をつく。
でも怒ってはいないようだ。
「ヒョンは、まあ、近くぶらぶらしてたらいいんじゃないです?」
「この近くに何があるんだよ」
「うーん、色々」
「わかったよ。検索して目的地決めるまではここにいさせろ」
なんて優しいんだろうか。
ユンギ先生がスマホでぽちぽちと検索している時にハッとした。
ジミン。
彼にカトクを返していない。
きっと心配しているだろう。
今なら大丈夫だろうか…
「最後に、友達にカトクを返していい?」
「変なこと言ったらまた別の国に引っ越すからね」
「分かった」
ジョングクは渋々、ベッド脇の引き出しから私のスマホを出してくれる。
久しぶりに見た。
思った通り、たくさん通知が来ている。
もちろんミナとジミンだ。
ミナからは〈ジミンから連絡きたよ、どうしたの?〉と来ていた。
ジミンからは50件くらい来ている。
ジョングクの視線はユンギ先生のスマホだ。
さっと内容を確認した。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時