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しばらくは今まで通り、平穏な毎日が続いていた。
ジョングクとの出会いを知り、年下だということもなんとなく分かった。
なぜ私が記憶をなくして騙されているのか?
それは分からずじまい。
でも確かに私は彼と出会った当時、彼に恋をしていた。
結婚している今、別にいいんじゃないかなと思うようになってしまっている。
ジミンからたまにカトクが届く。
私を心配してくれているようだ。
それでも「大丈夫」と返す。
大丈夫なのだから仕方ない。
ある日、いつも通りの朝を迎えて、2人でのんびりしている時だった。
私は朝食時に余ったバナナを使ってケーキでも作ろうかと、キッチンでぼーっと考えていた。
「A!!!」
今まで聞いたことがないほど大きな声で、しかも怒ったような声で呼ばれて驚く。
リビングからだった。
「…グク?どうしたの?」
そっとリビングをのぞいて目眩がした。
彼の手には私のパスポートが握られていたのだ。
「ねえ、どういうこと。これ、」
もちろん彼が開いているのは先日韓国へ出国した時の、検査時のスタンプが押されたページ。
「韓国に、行ったの?」
「…グク」
「どういうことだよ!」
今までこんな、私に怒りの矛先を向けたことがあっただろうか。
無いに決まっている。
私はあまりの恐怖でその場に動けなくなった。
「誰と行ったんだよ、何しに!」
「やめて、叫ばないで…」
「ヌナ!!!」
「!」
ジョングクが私を「ヌナ」と呼んだ。
彼も自分の発言に驚いたのか、一瞬目を見開いてぽかんとしていた。
すぐにしまった、という顔になる。
「ねえ、正直に答えて。何しに行ったの」
「…行ってみたかったから」
なんと言ったらいいのか分からず、私はそう答えた。
その返答に彼は苛立ったらしい。
部屋の隅で小さくなっている私の腕を掴むと、ぐいぐい引っ張って寝室へ連れていかれた。
「……グク?」
「……」
私が呆然としている間に、彼は部屋の戸棚から結束バンドを取り出した。
そして私の両手首を拘束する。
ああ、旅館で泊まった時みたいだ…。
ぼんやり考えながら彼を見つめた。
「なに、するの?」
「ここから出さない」
「え…」
「もう出してやらない」
「そんな…!」
それから簡単に両足首も結束バンドで固定されてしまった。
床で体育座りの格好でいる私を彼は簡単に持ち上げ、ベッドへ下ろした。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時