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しばらく眠っていたようだった。
目を覚ますと横でジョングクも眠っていた。
きっと私を看病して、そのまま自分も寝てしまったのだろう。
まだぼーっとしていたので彼に抱き着いた。
筋肉質な胸板に頰を寄せ、また私は眠りについた。
次に目が覚めた時、ジョングクの焦った声が聞こえてきた。
「ヒョン、お願い!」
誰に電話してるんだろう。
「なんで…ユンギヒョン」
あ、ユンギ先生か。
「…グク。大丈夫だから無理にユンギ先生呼ばなくていいよ」
「!!A!」
彼は電話をしていたにもかかわらず、スマホをポイっと机の上に投げて私の元へやってきた。
そしてぎゅぅっとすごい力で抱きしめられる。
「い、いたい…」
「ごめん!」
彼は一瞬だけ離れて、今度は優しい力で抱きしめてくれた。
「玄関で倒れて、ずっと起きないから…」
「あ、なんか一回起きたんだけど、グクも寝てるから二度寝したんだ」
「そうなの??」
「うん、だから大丈夫だよ」
ちらりと時計を見ると、まさかの次の日だった。
朝4時39分。
それは心配するよね…。
「ごめんね心配させて。ちょっと疲れただけ。だからユンギ先生を無理に呼ばないで、ね?」
「うん…」
彼は私の顔をじっと見て、変化がないと分かったのかしぶしぶスマホを拾い上げて通話を再開した。
「ヒョン?あ、やっぱり大丈夫みたい、うん。でもまた近々来れたら来て欲しい」
じゃあ、と電話を切ってから彼はまた私に寄り添う。
部屋の中にキャリーケースは見当たらない。
一応、韓国へ行ったと分かるようなものは処分したはず。
だけどちょっと心配になった。
「グク、私のキャリーケースは?」
「あ、玄関」
「よかった。待ってて、お土産あげるから」
ミナがあらかじめ日本の「沖縄おみやげショップ」で買ってきてくれた沖縄のお土産。
それをキャリーケースから取り出して彼に渡すと嬉しそうに笑った。
やっと笑ってくれた。
「記憶を失って初めての飛行機だったから、なんか重力とかの関係なのか、すごく体がだるくなっちゃって」
「あっちでは大丈夫だったの?」
「うん。グクがいなくて寂しくて、眠れなかったけど」
「ちゃんと薬飲んだ?」
「うん。薬飲んだから、少しは眠れたよ」
彼は変な時間に起きたせいでお腹が減ったのか、さっそくお土産を食べている。
どうやらバレてないようだ。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時