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話し合いの結果、ソウルに行くことにした。
2時間くらいしか滞在できない。
帰りの空港は大邱だからすぐに戻らないといけない。
でもどうしても行きたかった。
「ごめんね、わがままに付き合ってもらって」
「ううん!楽しいよ」
「ほんと?」
「うん。それに俺、女の子とこんな旅行も初めてだし…」
「私も、旦那以外とは初めてだな」
2人で顔を赤くして笑いあった。
お互い変に意識しそうで恥ずかしかった。
ソウルに到着すると、とりあえず観光地をぶらぶらしてみた。
なんとなく来たことがあるような気がする。
「あ、あのお店…」
「ん?」
私の目に留まったのはコーヒーショップだった。
引き寄せられるように私は中に入った。
「どうしたの?このお店はソウル中にあるチェーン店だよ。何か思い出したの?」
「私……」
ここで働いていた???
チェーン店だというからたぶんこの店ではない。
でもソウルのどこかにある同じコーヒーショップで働いていた。
絶対にそうだ。
コーヒー豆の匂いに懐かしさを感じたり変な気分になったのはこのせいだ。
「本当なの?A、ここで働いてたの?」
「たぶん。だってすごく分かるの…」
この店の勝手がよくわかる。
ストローは茶色いボックス。
コーヒー豆は奥の棚と手前の棚に保管。
制服とエプロンは2枚もらえて、それを着回していた…。
入った瞬間に自然と脳内にふわっと現れた記憶。
もやもやズキズキした頭が突然スッキリした感じがした。
「…A、大丈夫?」
「うん。ここでコーヒー飲んで行ってもいい?」
「もちろん!」
私はここでモカを頼んだ。
いつも私はここでモカを飲んでいた気がする。
口を付けた瞬間、ぞくっとした。
明らかに知っている味だった。
私はここを知っている……。
レジをしている時。
誰かが来るのをずっとたのしみに待ってた。
誰…??
そうだ、その人は私を「ヌナ」って呼んで…
「ジョングク…」
「え??」
思い出した!!!
ジョングクは、お客さんだった!!
いつも現れて、私のレジに並んで、「ヌナ」って呼んでくれた。
私はジョングクが密かに好きだった。
「私、思い出した…」
「え!?!な、なにを!?!」
「グク…私の旦那さんとの、出会い」
「嘘!?え、ここ?」
「うん、私はここで働いていて、彼はお客さんだった」
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時