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「Aたくさん食べたな」
「だってすごく美味しくて!」
私は今まで食べたことがないほどの量を完食した。
自分でも驚いているけど…。
記憶がなくなって日本で暮らしていても、韓国料理の味は覚えていた。
けれど日本で食べる韓国料理はなんとなく違う気がしたり…。
本場はやはり違っていた。
ジミンも家庭料理を中心に出している居酒屋をピックアップしてくれたらしい。
口の中に懐かしさが広がった。
「よかった、Aが喜んでくれて」
「ありがとう!すごく楽しかった〜」
「明日は大邱だなぁ」
「何か思い出せればいいんだけどね〜」
ユンギ先生の薬を飲んだせいで若干眠い。
頭が回らない。
ホテルに着くとシャワーを浴びてすぐにベッドに横になった。
薬を飲んだせいですでに眠気がマックスだ。
「あ、寝る前にグクに連絡しようかな…」
カトクを開く。
居酒屋に出てきた、韓国料理と分からないような見た目の料理の写真。
それをカトクで送った。
きゅうりの漬物なんて、きっと気づかないよね。
銀の箸も写してないし。
もしバレたら「韓国料理の店」と言えばいい。
ジミンも服しか写ってない。
腕は絶対に載せたらバレる。
〈グク〜!夕ご飯!美味しかったよ〉
ピコン!と早くもグクから返事が来た。
〈美味しそう。でも何でこんな写真なのㅋㅋ〉
〈メインディッシュの写真は?ㅋㅋ〉
メインディッシュなんて韓国鍋だから載せられない。
〈あまりにも美味しそうで写真撮る前に完食しちゃった!〉
〈なるほど。太らないようにね〉
〈うるさいㅋ〉
〈ユンギ先生の薬ちゃんと飲んだよ〉
〈えらい〉
〈もう眠いから寝ちゃうね〉
〈おやすみ〉
〈おやすみ〉
彼に会いたくなった。
初めて一人で寝る。
布団の中は少し心細くさせる。
暗闇が怖くて眠れなかった。
小さい電気をつけてふたたび眠ろうと試みる。
やっぱり、彼がいないと何となく不安で眠れない…。
ぎゅっと目をつぶり、枕を抱いて私は眠った。
そして変な夢を見た。
場所は韓国だった。
ジョングクと私は韓国の街の中を歩いていた。
微妙な距離を保ちつつ。
彼の片手には、苦手なはずのコーヒー。
そして彼は振り返り、私を「ヌナ」と呼んだのだ。
いつもの笑顔で。
私は胸がぎゅっと苦しくなって、俯いた。
そこで夢は途切れた。
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ソラン(プロフ) - shinov347さん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けるなんて、嬉しいです(^^)続編頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年8月30日 19時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
shinov347(プロフ) - この作品!!本当にびっくりするほど面白くて、興奮しっぱなしでした。。。作者様天才ですほんとに。続き心から楽しみに待っています。このストーリー思い付いた作者様本当に神ってます。ほんとに。 (2018年8月30日 18時) (レス) id: 7f3f1e52e8 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - ちむちむさん» ありがとうございます!ちょっと展開急ぎすぎた感ありますが、最後までぜひ読んでください〜! (2018年8月30日 12時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむ - 今見ました!凄い展開ですね!楽しみです!頑張ってください! (2018年8月29日 23時) (レス) id: 44bb68e7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - うゆ子さん» コメントありがとうございます!第1章、なんとか終わりそうです^ ^ぜひ最後まで見届けてください! (2018年8月29日 22時) (レス) id: 8103dd882b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラン | 作成日時:2018年8月21日 20時