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83話 ページ26

A「リリー!!」

そう、亡くなった佐々木さんが飼っていた猫、リリー。
そして私の密かな相棒。

猫にじゃれる前園さんの横に、私もすとん、としゃがんだ。

拓哉「知り合いなの?」

A「はい!なかなか人に懐かないんですけど、前園さん気に入られてますね」

拓哉「そうなんだ、知らなかったなぁ」

嬉しそうに笑う。

A「この子、私が歌うと寄ってくるようになったんですよ」

拓哉「え!?そうなの。僕もその歌聞いてみたいな」

A「え、廊下でですか?笑」

拓哉「誰もいませんよ」

A「えー、いるかもしれないじゃないですかぁ。笑」

拓哉「じゃあ後ほどにでも。また会いませんか?」

おっと、おっとっと?
顔には出さないものの、心の中では変なリアクションしまくりの私。

拓哉「Aさんの歌、聞かせて下さい」

………嫌な気はしない、かな。

西岡の第一秘書なんて、どうせ冷酷なやつ、と決め込んでいたが、目の前には優しそうに私を見る青年が立っていた。
人助け。
猫とお遊び。
名前呼び。

快斗に感じるドキドキはないけれど、心の中が暖かくなる。
親近感、と言うべきかな…。

なんとなくそこから先へ進もうとすると、あの幼馴染みに対して罪悪感が芽生えてくる気がした。

そこから、先。
……それって、恋?

…でも、

A「それくらいなら、いいですよ」

多分、大丈夫。
ウキウキと、前園さんとリリーと雑談をしているのが楽しくてしょうがなかった。






でも、噂をすれば快斗。

快斗のこと考えていると、本当にあいつは来る。
そんな、ちょっと信じがたいコトは、船で乗り合わせたその奇跡から、もうごく普通のことになっているのかもしれない。

二本の廊下の曲がり角に場所を移動していた私達は、前園さんがリリーを抱き、そのまま立ち話をしていたが…

ふと聞こえてくる、足音。
清掃員用の、底の薄い作業靴。


A「……あ。」

前園さんと快斗を少し比べただけなのに。

……快斗の方がよく笑う、とか、
……快斗の方が手が綺麗、とか、
……快斗の方が安心するかも、とか、

絶対考えていないのに。

噂をすれば快斗って、いつかテストに出そうだな。
実用的すぎて!…なんて、ちょっと考えて笑いがこみ上げてきそうだった。

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ことこん(プロフ) - 清掃員=神木で、世にも奇妙な物語を思い出したのうちだけかな?w (2015年4月20日 22時) (レス) id: 9b583ecf1b (このIDを非表示/違反報告)
- まりぃさん» 気長に待ってます!推敲頑張ってください(・∀・*)ノシ (2015年3月27日 23時) (レス) id: 9e293ea916 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - まりぃです。なんかオリキャラぶっこんだり、更新全然してなかったり、ごめんなさい…(>人<;) 今、クライマックスに向けてのラストスパートであらすじを練っている最中です。みなさんのコメントを励みに頑張りますので、お付き合い願います!! (2015年3月25日 22時) (レス) id: dfef5f9acf (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いです…!!早く続きがみたいっす^^ (2015年3月25日 20時) (レス) id: 9e293ea916 (このIDを非表示/違反報告)
nerei - 最近キッドにハマり、二時間ほどで此処まで読みました!!続き楽しみにしています♪ (2015年3月15日 1時) (レス) id: 236bba5ed0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりぃ | 作成日時:2014年9月9日 22時

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