75話 ページ17
私の話を聞いてくれる、唯一無二の存在。
誰よりも頼れる快斗の顔が、今目の前にある……。
でも、言えない。
言えるわけがない。
A「あの部屋には、パソコンが置いてあったけど、そこには何のデータも残ってなかったし、
……うん、何にもなかった」
快斗「嘘ってバレバレだよ、お前。」
A「嘘じゃない!快斗に向かって嘘はつかない!!」
口にした途端に、罪悪感でいっぱいになった。でも、私はこれから、ビックジュエルを手に入れなきゃいけない。
だから。
A「さよなら……」
涙を隠して歩き出すしかない。
・
どうして私が宝石を手に入れようとしているかって?
どうしてこんなにムキになってるかって?
どうして……、
快斗と目を合わせられなかったかって?
その答えは、さっき見たパソコンの中にあった。
起動すると、中には2つのファイルが開かれていて、私は思わず唖然とした。
一つは____________計画書。
それも、快斗を消すための。
西岡財閥が宝石を狙っているっていう話を園子から聞いていたから、無意識に納得してしまった。
計画内容は、スカイデッキに飾られている魅惑の旋律≪オーシャンズ・メロディ≫を奪う時、爆弾を作動させるもの。
そうか、私をサイレンサー付きの銃で撃って、船に爆弾を仕掛けたと脅した時言っていた爆弾は、
やっぱり存在したんだって思った。
それにもう船の旅は始まっていて、そろそろ快斗も動き出す頃。そう考えただけで、漠然とした恐怖が込み上げてきた。
そして、その計画書の最後に一言。
ーーーーーーー
阻止したければ、力尽くでやれ
ーーーーーーー
明らかな挑発文。でも、快斗の命を守るためなら、きっと快斗より先に私が宝石を奪う必要がある…。
そう決心した時、
魅惑の旋律≪オーシャンズ・メロディ≫を狙う者は、
怪盗キッド、
西岡財閥、
デビル・アーミー、
そして、私。
4つの存在になったんだ。
だからこそ、さっきは快斗に口が裂けても言えなかった。
快斗が殺されたら嫌だから、なんて、
………きっと、きっと快斗は、
………自分の安全は自分で守る!とか言って笑うくせに、
………自分より私のために動いてしまう。
………だよね?快斗??
・
そして、パソコンに表示されていたファイルはもう一つ。
私の今までの人生の、天地をひっくり返すほどの衝撃。
それは……
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ことこん(プロフ) - 清掃員=神木で、世にも奇妙な物語を思い出したのうちだけかな?w (2015年4月20日 22時) (レス) id: 9b583ecf1b (このIDを非表示/違反報告)
髻 - まりぃさん» 気長に待ってます!推敲頑張ってください(・∀・*)ノシ (2015年3月27日 23時) (レス) id: 9e293ea916 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - まりぃです。なんかオリキャラぶっこんだり、更新全然してなかったり、ごめんなさい…(>人<;) 今、クライマックスに向けてのラストスパートであらすじを練っている最中です。みなさんのコメントを励みに頑張りますので、お付き合い願います!! (2015年3月25日 22時) (レス) id: dfef5f9acf (このIDを非表示/違反報告)
髻 - とっても面白いです…!!早く続きがみたいっす^^ (2015年3月25日 20時) (レス) id: 9e293ea916 (このIDを非表示/違反報告)
nerei - 最近キッドにハマり、二時間ほどで此処まで読みました!!続き楽しみにしています♪ (2015年3月15日 1時) (レス) id: 236bba5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2014年9月9日 22時