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「神津さん……っ」
階段下で横になった彼女の名前を呼ぶ。咄嗟に庇ったのか、右腕は青く腫れていた。頭からは、血が流れている。早く、なんとかしないと。まずは、まずは、救急車呼ばないと。
震える手でスマホに番号を打ち込み、救急車を呼ぶ。電柱を探して現在地を伝え、固く目を閉ざしたままの神津さんを抱き抱える。
歩道橋の上では、まだあの男が、こちらを見下ろして呆然と立ち尽くしていた。
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「へいへーい、神津ふっかーつ」
「生命力ゴキブリじゃん」
「おっと、良いね良いねぇ。しーたくのツッコミにもキレが出てきたじゃないか」
あの後、救急車に乗せられて病院に搬送された彼女は、一週間の入院を経てオフィスに帰ってきた。目を覚ましたのはつい一昨日らしい。
その間俺は捕まった男についての事情聴取をされていて、知り合いかどうかの問いには、一応一つ頷いた。
その後聞いた話によると男は�牴深圓�に指示された�瓩閥―劼靴討い襪蕕靴�、結局男の罪は大した罪にはならなかったという。
そして、今日。オフィスに帰ってきた神津さんは頭に包帯を巻き、右腕をギプスで固めて布で首から釣った状態で帰ってきた。見るからに痛々しいその姿にオフィスに居た人達は、彼女に心配の声を投げ掛け始める。
俺は、なにも言えなかった。なにも言う資格がないと、思った。
「お、どうやらぴー君に怪我は無いようだね。ぶつけた後頭部はどうだい？」
「……ちょっとした打撲、らしいです」
「そうかそうか。いやー、もう少し早く走り出すべきだったね。私としたことが、計算を誤ってしまった。やっぱ歳だな」
「ちょっとやめて。それ俺にも刺さる」
「あらやだごめんなさーい」
須貝さんと楽しそうに言葉を交わす彼女を、衝動的に抱き締める。骨折した腕に負担が掛からないように腕に力を込めれば、彼女の手がポンポンと俺の背中を撫でた。
「なんで……なんで庇ったの……」
「なんでって、当たり前だろう？」
いたって普通のことでも言うような声音で、彼女は言う。
「君のことは、必ず守ると言ったじゃないか」
―――あぁもう、こんなんだから。普段がどんなに扱いにくくても、わがままでも、すぐ奢らせようとしてきても、俺は心の底から彼女を、憎めないんだ。
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白菜(プロフ) - 河良紅好さん» ご報告ありがとうございます！助かりました！早急に修正させて頂きます！ (2020年6月16日 22時) (
レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
河良紅好(プロフ) - はじめまして、陰ながら白菜さんの作品を楽しく拝見させて頂いてます。大変失礼ですが、事件No.5の2ページ目の｢マーキング｣が｢マーケティング｣になっていました事をご報告させて頂きます。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: a18b40da37 (このIDを非表示/違反報告)
るーと - この作品を読むのが最近の密かな楽しみになっています。ご無理をなさらない程度に更新頑張ってください！これからも楽しみにしてます！ (2020年6月12日 21時) (レス) id: 300feac1d8 (このIDを非表示/違反報告)
餅兎(プロフ) - 遅ればせながら新作ありがとうございます…！ Twitterで設定をお見かけして以来ずっと心待ちにしておりまして、余りのことに学校滅ばねえかなとまで考えておりました。早速背筋の凍るような展開にゾクゾクしております、更新頑張って下さい。 (2020年6月11日 20時) (レス) id: 10f5dc34bc (このIDを非表示/違反報告)
神木(プロフ) - 占ツクを開くたびに更新されてないかなーって確認するくらい更新とても楽しみに待っています！更新頑張ってください！ (2020年6月11日 16時) (レス) id: ded004bcdf (このIDを非表示/違反報告)
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