【鬼滅の刃】新しい隣人は、私の推しでした。

第14話 無理して笑う ページ17

〜Aside〜


「この人が怖がっているのに、それを弄ぶように痴漢をするなど卑劣極まりないっ！」



竈門さんが男性の腕を掴む力を強くした
ギリギリ、という音がこちらまで聞こえてくる



男性を睨む竈門さんの目は、怒りに燃えていた
いつもニコニコして、一切怒らなさそうな竈門さんでもこんな表情できるんだ
こちらの味方をしてくれているのにあまりの形相で私までビクッとしてしまう






「もう二度とこんなことするな。」
「は、はい…」




車両中から拍手がわいた
「よく言った！」「兄ちゃんかっけえぞ！」
そんな声が車両内を飛び交う

結局痴漢さんは次の駅で駅員さんに連れていかれた。




それから、竈門さんは私たちの最寄り駅に着くまでずっと隣にいてくれた


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「本当に大丈夫か？」
『はい、時間もたって落ち着きましたし！』



アパートに着き、私の部屋の前で竈門さんは心配そうに尋ねてきた
これ以上彼に迷惑をかける訳にもいかない
慌てて笑顔を取り繕って嘘を言った



「そうか… もし何かあったら直ぐに俺を呼んでくれ。」
『ありがとうございます！でも、本当に大丈夫ですので！！』



ただの隣人という関係なのにこんなに心配してくれて、優しくしてくれる
有難いことでしかない
だからこそ、迷惑だけはかけないようにしなくちゃ





ｶﾞﾁｬ




家に入り、荷物を置いて手を洗う
うがいをして、お気に入りのこげ茶のソファに座った時、私の感情は決壊した



『ううっ…』


触れられていたところから冷たいものが身体中に広がる感覚がする
私は、自分の身体を護るようにさすり続けた



なんで泣いているのか自分でもよく分からなかった
怖いから？気持ち悪かったから？

この感情に名前をつけることが出来ないまま、私は泣き続けた


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ



と、チャイムの音
宅配の方かな

出たくなかったけれど、居留守を使うのも自分の心が許さない



『はーい』


なんとかぐしゃぐしゃになった顔を引き締め、扉を開けた


ｶﾞﾁｬ
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電車の中ではね、ぴったり横にくっついてくれるの。
イケメンっていいな

炭治郎にセコムされたい人生でした。

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