炭酸水 -泡泡- (ページ40)

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｢やっぱり妹だったんだって。｣

雰囲気のこととか、最後のちょっとした違和感とかのことは伏せて、そこまでのことを

まぁ長く話し終えて彼の顔を見ると
口が半開きの酷い状態のまま固まっている。

心ここに在らず。っていう言葉をたすき掛けしたいくらい。

頭の中で装着させると酷くお似合いな彼の滑稽さに散々に笑ったあと

｢おーい終わりましたよー｣

ってまだ固まっている彼の前までいくと

ｸﾞｲｯ

鎖骨との正面衝突。

｢いたっ｣

そう声を上げているのに彼は応えてくれないし、腕の力を緩めずに胸から解放してくれない。

｢痛いってば。それにちょっと力緩めてく…｣

2｢好き｣

やっと口を開いた彼が吐息のように呟いたのは

そんな甘い言葉と

2｢浅はかとかあんな最低なこと言ってごめん。｣

懺悔の言葉だった。

言葉に応答しようと試みるけど、あまりの強さで押し付けられてるからか喋り方がわからなくて、試行錯誤しているうちに

耳元で、夢、とか、現実、とかそんな単語が聞こえてきて、あぁ彼だなって微笑ましくなる。

なのにすぐ彼は

俺、ばかだから難しいことは分かんないんだけど。って前置きした後に

2｢玉に振られたから俺、とかじゃない？｣

なんて、ガチの暗い声で私に確認する。

｢そんな事言っちゃう訳！！違うよ｣

若干怒って彼の胸から頭を離す。

初めて人間を見たカワウソみたいな顔しやがって！なんて心の中で毒ずきながら

｢会いたかったの！｣

そう腕の中で叫ぶ私に、ニカちゃんは超がつくほど驚いている。

｢確かに、裕ちゃんに振られたのは凄く最近のことだしニカちゃんがそう思うのは仕方ないことだって分かる。
振られて間もない人がさ、こんな風に直ぐに別の人なんて傍から見なくても普通じゃないし。

そうなんだけどさ。あんま泣かなかったのね。泣くんじゃなくて抜け殻になったみたいな感じ、ぼーっとしてさ。

そしたらめっちゃくちゃニカちゃんに会いたくなった。
なんも考えらんないなーって思ってたのに。

それでニカちゃんに会いたくて泣いた。
裕ちゃんの時は泣かなかったのに。

そんでね、笑い飛ばして欲しかった。ぶすだよって。｣

｢ニカちゃんの顔が浮かんで会いたいって思ったの！

あんなこと言われて疎遠になってたし、
しかも裕ちゃんに振られた後なのに！

伝わる？？｣

一息で言いきって若干肩が上がる私を見て彼が嬉しそうに笑う。

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