炭酸水 -泡泡- (ページ31)

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足早にこっちまで。

どかっと横に座って
呆気にとられてる俺の顔を笑ってから

｢明日は何時から？｣

挨拶とか何もなしに頬杖をついて俺に尋ねてきた。

無視だ。無視だ。

今ここでコイツと話しちゃったら
今までの事意味なくなるし

入口を見るために変な格好で座ってたからか背中が何か痛くなってて、きちんと座り直してから前を向いて酒に手をかけると

弱くはあるけど左側から確実に蹴りが入った。

｢何すんだよ｣

｢聞いてんの。明日何時から｣

しまった。口を開いてしまった。。

｢知らない｣

目線も合わせずにそう言うと

ﾊｧ、って小さいため息をわざとらしく着いたあと

｢拉致るっ｣

勢い良く立ち上がって

｢大将こんな時間までごめんねー｣

って何故か俺の支払いをマッハで済ませたあと引きずるように俺を外に引っ張り出した。

｢ぃってぇよやめ…｣
｢さぁ、貴方には選択肢があります｣

｢は？｣

人通りがほぼない閑散とした路地まで連れてこられて、振り返り際にそう言うと

｢タクシーに乗って私に拉致されるか、

このままずっと私とこうしてて誰かに目撃されてしまうか、｣

そんな理解不能な言葉を指をおりながら言ってきた。

…後ろにタクシーが見えるからあれはきっとこれの為に手配済みなんだろうな。

｢意味わかんないんだけど｣

｢私的には、きっとタクシーに乗る方がいいと思うんだけどなぁー｣

｢話聞いてる？｣

｢ほら、早くしないと。

いくら二階堂でも外に女と長居は良くないよ？｣

目の前のやつの勝手な行動に若干苛立ってるんだけど

…なんかそれ以上に彼女のは怒ってるみたいだった。

登場してから口角がずっと上がりっぱなしなのは最初、気分がいいからだと思ってんたけど、

1回も下がることなくそれがずっとキープされてるってことを考えるとさすがに違いそうな気がするし、目には相当威圧的パワーを感じる。

正直ほんとうに超怖い。

｢…乗るよ｣

手配されていたタクシーに渋々乗り込むと

偉いー、って彼女が後ろで笑う声がした。

｢どこ行くの｣

｢ニカん家｣

｢はぁ！？｣

この付近までとか運転手さんに言って、シートベルトを締めてる彼女に聞くと涼しい顔でそんなことを言い出した。

｢動きます｣

俺の声に一瞬ビクついた運転手さんは控えめで自信なさげにそう言ってからタイヤを動かした

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