炭酸水 -泡泡- (ページ30)

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｢あーーーーっ、最っ悪｣

『おい、そろそろ営業妨害だかんな』

そんなカッコでそんな雰囲気で、、
そりゃお客さんも足早に去っていくわ

とかボソボソ呟いてる大将を気にもとめずに、
俺は4日前に最大級にやらかした〝出来事〟に今も頭を悩ませていた。

｢最悪…｣

Aの為に普通に、とは言ったものの…
その普通がもどかしくてた居た堪れなかった俺は、思い切って〝少し〟彼女との距離を遠ざけることにしていた。

なのに。
そんな気も知らずに、どんどんまた近づいてきて。

そんな彼女にちょっと腹が立って言ってしまった言葉が、今も俺をこんな風にしている。

謝ろうと思ったのは思ったんだけど、Aもあの後から俺を気遣ってくれてたのか全く関わりが途絶えて疎遠になってたから、
じゃこのままでいいんじゃんかって甘えもあって今まで来てしまってる。

｢あぁぁあ｣

『高嗣、そろそろ俺の店潰す気だろ』

｢わりぃ｣

『あぁまた1人帰っちゃったよ』

ﾋﾟｺﾝ

スマホが光って何気なくトーク画面開けると

｢はっ！？｣

『等々叫び出したか』

｢あ、ごめん｣

『もういーよ、客誰もいなくなったから
叫べ叫べ』

投げやりで放った大将の言葉にさんきゅって笑顔で返したあとゆっくりトーク画面を見る。

A会えない?

唐突になんの前触れもなくいきなり送られてきてる。

いや、

いやいやいやいやいやいやいやいやいや。

首を素早く横に降ってスマホをカウンターに伏せる。

俺に連絡寄越すなんて…

あんなこと言った俺に？？
いや、まさか。

頭とか打たないとそんなことあるわけないし。

…まさか、打った？…いやいやそれはさすがに。

…あ、玉関係か？

玉と付き合いました報告の為か？

あぁ、そうかきっとそれだ。
いやでもなんで俺と会う必要が？

ってかあんなこと言った俺にそれもするか？

しないよね？しないしない。

うん、俺は何も見なかった。

見なかったことにし…

｢既読スルーは感心しないんだけど｣

聞こえてくるはずのない声が後ろから聞こえてきて、一瞬固まって。

コツコツ聞こえるヒールの音を感じながら首だけ後ろに向けると

『おぅ！A久しぶりじゃねぇか』

｢お久しぶりです！｣

めっちゃくちゃ笑ってるAがこちら側に歩いてくるのを目撃してしまった。

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