炭酸水 -泡泡- (ページ18)

今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:91,199 hit

115 -t ページ18

.

そしたら、、

｢玉、俺怒るよ。｣

笑い飛ばしてくれるかと思ってただけに
俺はきっと、拍子抜けした、滑稽な顔を晒したと思う。

そんな俺に無表情で宮田は言葉を続けた。

｢あのね、こういうのは勝手に俺が言っていいようなことじゃないんだけどね、、｣

そんな焦れったい前置きを丁寧に置いた後、

｢…Aは玉のこと、ずっと好きなんだよ。｣

言いにくそうに、でもハッキリと言い放った。

｢…は？｣

｢なのにずっと、玉は気付かなくて。

Aも玉とどうこうなりたい訳じゃないからなんて笑って言わなくて。
でも、昔から玉が妹って言葉をAに使う度少なからず傷ついてたの俺らは知ってた。

そんな時〝毎回〟笑い飛ばしたり励ましてたのがニカね。｣

端的に言おうとしてるのか、時々考えるように言葉を吐き出す目の前の彼は、俺の表情も確認しながら句読点を入れていく。

｢玉だってニカが昔からAの事気にかけて、気になってたの知ってるでしょ？

荒れてた時も、Aには俺らより心を許してたことも。

久しぶりに再開してからも、変わらずニカはAを気にかけてた。

健気にずっと玉一筋のAの傍にいて、最近Aもようやく次を…見始めたのかなって、ニカが報われてきたのかなって、

良い関係がより築けてきてるんだなって、
俺も見守ってたのに。…何。

まだ妹とか言い張ってAを傷つけて、次は嫉妬？

それってさ、俺からするとすごーく自分勝手だと思うんだけど。｣

｢っ俺は…｣
｢玉｣

｢いい加減、解放してあげなよ｣

解放っていう言葉に思わず、視線を合わせると何も読み取れない宮田の顔があった。

.