炭酸水 -泡泡- (ページ16)

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申し訳なさそうな切羽詰まった顔で、

｢急なんだけど、ほんとちょっとだけで
いーから今日時間作れる？｣

なんて言われたら断れなくて、約束してたニカちゃんに少し遅くなることだけ伝えて

t｢A｣

仕事が終わるのを待つ間に1度帰って車で戻ってきてくれた裕ちゃんの車に乗り込む。

｢わざわざ車でなんて遠くでも行くの？｣

t｢公園｣

｢どこの？｣

｢俺らがガキの頃行ってたとこ｣

どうしてそんなとこに行くのか理由を聞いたら

なんとなくってはぐらかすし、

時間取らせないから大丈夫だよ、ごめんね予定あるのに。

とか言うから‘はてな’が頭から離れない。

私は何時…彼に予定があることを告げたっけ。

彼は何故…私にこんな目線を送るんだろうか。

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先行ってて、車停めてくる。

って降ろしてくれたのはいいけど、

｢…え｣

立ち入り禁止が掲げられたフェンスを前に呆然と立ち尽くす私。

…に構わず、

t｢こっから入れんじゃん｣

秒殺で車を停めて、ゆるりと来た彼は、

古びて空いてしまっているフェンスの穴から公園の中にスーｯと消えていってしまった。

｢え、ちょっと｣

勝手に入って大丈夫なの、
なんて後に続いて入っていくと、

もう既に彼はシーソーの片割れに座っていて、ニヤって私を手招きする。

t｢久しぶりにしよーよ。

動くよ？これまだ。｣

はーやく。子どものように急かす彼に、諦めのような溜息を少し漏らした後

｢昔みたいに思いっきり蹴りあげて私を落とさないでね｣

条件を提示して空白のもう片方に跨って座ると

t｢任せろ｣

彼は口角を上げて満足気な顔をした。

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