五十六話 ページ8
僕たちは目を見つめ合う。
お互い言葉はなかったが、二人で歩いて学校を出た。
少し青みがかった夕焼けが綺麗だ。
「ねえ三郎くん。」
ふと、君がそうつぶやく。
「.....何？」
「私ね今すっごく幸せ。」
「....僕も。」
些細な会話でも僕の心を躍らせる。
「本当に三郎くんは私を助けちゃった...。ヒーローだね！」
「....僕だけじゃなくみんながいたからね。」
「でも私にとっての大切なヒーローだから。」
「....。」
前、どんな風に話していたっけ。
両思いだって気づいてから言葉がうまく出てこない。
そこからは二人で静かに帰路を歩いた。
「あ。そうだ！さぶ...。」
そこまで言うと、ふとAさんが立ち止まった。
Aさんの視線の先には一人の女性がいた。
「え...あっ....。」
言葉を詰まらせているAさんの反応を見て、何となく察しがついた。
「あれってAさんのお母さんだよね...？」
こくこく、とAさんが頷く。
Aさんのお母さんは中王区の制服を身にまとっていた。
「....Aよね？」
「お母....さ...。」
「大きくなったわねえ....。元気？」
「そんな...わけ...。」
「ふふっ、そうよねえ...。」
じりじり、とAさんのお母さんは距離を詰めてくる。
咄嗟に僕はAさんを後ろに庇った。
すると、Aさんのお母さんは少し驚いた表情をした。
「.....何？」
「.....Aさんに何しようとしてるんですか？」
「単刀直入に言うと、私と一緒に中王区にまた住みましょうって言いに来たの。」
「.....え？」
Aさんがそう言葉を漏らす。
なぜ今になってAさんを迎えに来たのか。
「私はAのことずっと大事に思っていたのよ...？」
「それなら....。」
Aさんが手を固く握る。
「それならどうしてもっと速く来なかったの！？今更遅いよ！！」
Aさんが声を張り上げた。
この言葉はAさんの心の底からの言葉なんだ。
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れおな - 感動しました……！すごく良いお話。これからもご自分のペースで頑張ってください！ (2021年9月29日 9時) (
レス) id: cdbde50ffc (このIDを非表示/違反報告)
こーらふろーと(プロフ) - 颯良（≧w≦）さん» ありがとうございます！落ち着いたらまた多く投稿しますので気長にお待ちください！ (2021年2月4日 23時) (レス) id: d3b8f2bb05 (このIDを非表示/違反報告)
颯良（≧w≦）(プロフ) - 推ししか出てこなくてうれしいです！更新頑張ってください！ (2021年2月4日 21時) (レス) id: a2e75c263e (このIDを非表示/違反報告)
こーらふろーと(プロフ) - アニメ・ゲームの推し最高さん» わぁ！嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2021年1月21日 0時) (レス) id: d3b8f2bb05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ・ゲームの推し最高 - 私の推し�彰尭扱蓮疥涸Ｊ�壊。めっちゃ泣いた…これからも頑張ってください!! (2021年1月19日 20時) (レス) id: ec419398fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こーらふろーと | 作成日時：2020年11月29日 22時
