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「やっぱもう行かないで」
「え?」
「男と2人で飯」
「……気にしてたの?」
「気にしないようにしてた」
友達ならいいよ、ってあの頃はそう言ってたけど、実際はお互いが腑に落ちてなかった。サバゲーで女の子と繋がったり、素性がバレなきゃチャットのやり取りだって許してた。なあなあにしてたのは私も同じ。信頼があってこそ出来たことだけど、そろそろ限界がきていた。
「考えてみたら無理だった」
「考えてくれたんだ?」
「最近特にね」
素直に嬉しかった。紫耀の愛は増すばかり。果たして私も同じ量の愛を与えてあげられているのだろうか。時々心配になる。だけど自然と口に出ている本音が紫耀の心を満たしているのは事実。
「じゃあ紫耀も女の子とサバゲーしないでね」
「ん、もうフレンド切った」
事後報告。いつの間に切ったんだろう。夜はもっぱら携帯片手にゲームだから何をやってるかなんて全部は把握してない。ガソリンスタンドに到着してエンジンを切った紫耀は咄嗟にブランケットを投げてきた。寒さ凌ぎだろうか。慣れた手つきで画面を操作して、給油口を器用に開けた。何もかもカッコよく見えて顔が緩んだ。ブランケットに顔を埋めれば紫耀の香水の匂いが溢れかえった。
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まきこ(プロフ) - 全部のお話すごく好きです!!甘えてくれる紫耀くん可愛すぎますね!またいろんなお話読めるの楽しみにしてます^ ^ (2021年2月14日 8時) (レス) id: cfbbd37a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:詠夢 | 作成日時:2021年2月7日 1時