09.キミもオレも泣いて、泣いて… ページ9
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「私、……私……。」
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佐々木はなぜか泣いた、泣き崩れた。
グチャグチャになるまで泣いた。
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そんな光景を見て、俺も泣きそうになる。
だって、俺だって寂しいから。
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振り向かなくたって、遠くから見てるだけでそれでいいから。
興味ないだろうし。
恋愛の目でなんて見てくれてないだろうから。
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そう、佐々木は俺のことなんて一切興味ないだろう。
恋愛の目でなんて、はは。ないない。
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「……っくぅ……。大野く……。」
智「……なんで、泣いてるんだよ」
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何故、コイツは泣き乱れる。
意味もなく泣き乱れるのか。
違う、何かを想って泣いてるんだ。
同情なんか、そんな軽い思いで泣けるようなやつじゃないから。
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じゃあ、何を想って泣いてるんだ？
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「……大野くん……！」
智「ん……？」
「あと、……1日だけ……。いれないかな」
智「…考えとくわ」
「……うぅ」
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抱きしめた、崩れ落ちそうなキミを痛いと言わしめるほどに強く抱き締めた。
期待した思いを吐き出さずにし舞い込んだんだ。
……もう、いいだろう。
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期待させすぎもダメなんだよ。
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「大野くん……」
智「……A」
「……！？い、いまAって」
智「ありがとう。」
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傘は、……どっかに行った。
お気に入りの傘みたいだったけど、……まあ弁償はする。
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「そんな悲しいこと言わないで……！」
智「じゃあ、……」
「じゃあ？」
智「じゃあ……！」
「……」
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10.雨の日にキミが好きだと伝えよう→←08.『引っ越し』のハナシ
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年3月24日 20時
