01.その笑顔だけで。 ページ1
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この世には、必ず別れというものがあって……。
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離れたくない、行きたくない、まだ居たい
幾つもの願いがあったとしても、決められたことは決して変えることのできない未来。
……それが、オレの
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時は高校時代に遡る。
初々しく制服を身にまとい、青春とかいうものを経験して……いるわけじゃない。
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オレの淡い恋心なんて、相手は気づきもしないであろう。
なぜなら、胸の奥の奥に留めて想いを晒さないからだ。
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その恋の相手というのが、佐々木Aと言う女子だ。
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騒ぎまくる女子とは違っておしとやか。
雰囲気はふわふわしてて、女子からも男子からも人気のある子。
好きな男子の噂など、1度もない。
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「大野くんー！委員会、一緒に行こう？」
智「別に……いいけど」
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俺と佐々木は同じ委員会だ。
まぐれ。
そう言ったほうが正しいかもしれない。
『保険委員会』
それが、俺らを繋ぐきっかけである。
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その女子は、ぶっきらぼうな俺になぜか構ってくる。
正直言って、俺はモテない。
同じクラスの櫻井がモテる。
同じ学年にはそれ以上に松本がモテる。
その2人と俺を比べたら、霞むほど。
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「せっけん、……2階だってね」
智「2階が一番多いからな」
「ほんとー！めんどいー」
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スカートの裾がヒラリと踊る。
左手にせっけんの詰まった袋を持って、俺らは歩き出した。
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02.変に期待しない方が身のためであることは重々承知している。→
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作者名：成瀬
| 作成日時：2017年3月24日 20時
