* ページ23
少しさびれた、小さな公園。
昼は、子供たちの笑い声で満たされているんだろうな。
ここで、よく語り合ったっけ。
そんなことを思いながら、中に踏み込む。
風に揺れる銀杏の木が、レンガに蔓を巻き付けている朝顔が、
まるであの日のままだった。
・
キイっと、ブランコがきしむ。
失礼だなあ、そんなに重くないよ。
足を離して、ゆっくり漕ぐ。
キイッ、キイッと音を奏でるブランコも、昔はこんなに錆びていなかった。
変わらない、と思っていたけれど、やっぱり変わるものはあるみたい。
その証拠にほら、この公園はこんなに小さくなかったでしょう?
・
一緒に海を見に行ったね。
まだ海開きされる前。吹く風も冷たかったころ。
白く泡立つ波も、海上を吹く激しい風も、
潮の香りも、
全部全部、こんなに鮮明に憶えているのに。
浜で砂の山を作ったでしょう。
棒をさして、陣取りゲームをして遊んだよね。
どちらが早く棒を倒すか、なんて、くだらない
楽しい遊びをして。
「この景色を忘れないで」
って、その言葉、私は憶えているよ。
もう君は忘れてしまった?
くだらない面影を追いかけて
気づけば、今も君を思い出している。
太陽みたいに眩しい笑顔。あの頃は、私も同じように笑っていた。
ねえ、寂しいよ、なんて。
言っても君には聞こえないんでしょ。
72人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イズミ - 黒木君が泣くという発想がわたしにはおもいうかばなっかたので、すごいとおもいます。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page12 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
イズミ - アーヤが7人で見たらぎゅうぎゅうだよ。って言った後、「アーヤ最強。」と言われているのも面白かったけど、どいう意味かアーヤが分かっていないのが面白かったです。 (2023年3月13日 18時) (レス) @page6 id: 6ccf209779 (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - わ、待ってます! (2019年1月6日 0時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
花畑(プロフ) - ずずさん» 了解です(笑)次の「誰も知らない物語3」で書かせていただきますね!いつになるかは分からないですが…その時はよろしくお願いします。 (2019年1月5日 21時) (レス) id: e150cc9add (このIDを非表示/違反報告)
ずず(プロフ) - 大丈夫です、嬉しいです!あ、いや、受け取らなくてもいいですよ…? (2019年1月5日 20時) (レス) id: 054a7adbe3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ