明日も、明後日も #2

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何回もやったことのあるやりとりは言葉のキャッチボールが成立するようになってきた。これも日々の積み重ねの成果だね。

「朝の会を、はじめます」

こうして毎日同じだけど、少しづつ刺激を加えていく学校生活が始まる。




・・・




Shime


仕事を終えて、海斗を迎えに行く。ピッタリ定時に退社して、急いで買い物をして、なるべく同じ時間に着くように迎えに行く。

「あ、海斗くん、お迎えきましたよ」

先生が俺に気づいてくれて、その言葉に応じて海斗が歩いてくる。

「帰ります」

「そうだね。帰ろうね。でもね、ご挨拶しなきゃ。先生、さようなら」

「先生、さようなら」

「さようなら、また来週ね」

「さようなら、また来週ね」

手を繋いで、車まで歩く。帰り道は、今日の出来事を聞くようにしている。返ってくるときと、返ってこない時があるけど。

「学校で、何をしましたか？」

「朝の会」

海斗が好きなのは朝の会。司会を任されているんだって。

「朝の会、今日も頑張れたんだね、素敵だなぁ。明日は学校はお休みです」

「明日は土曜日です。学校はお休みです」

「そうだね」

ちょっとちぐはぐでも、俺と海斗の大切なコミュニケーション。車に乗ると海斗は街灯をずっと見つめている。

「きれいに見えるのかな」

きっと、俺が見ている世界とは、違う色をしているんだと思う。子どもの頃は理解しきれないこともたくさんあったし、海斗のことが原因でお父さんがいなくなってしまったことも知っていたから、正直海斗を疎ましく思っていたこともあった。でも、海斗が俺を頼ってくれてるって気づいた時に、すっごい反省した。俺が海斗を守るって決めたんだ。
「今日の夜ご飯は、海斗の好きな明太子スパゲッティだよ」
そういうと嬉しそうに体を揺らした。

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