明日も、明後日も #2

次のページ ページ15

橙×青(白)
ゆき様リクエスト
ノンリアル


かいと(中2)
げんた(小6)
のえる:元太の父



Kaito

「かいと、大丈夫？ナースコールするね」

苦しくて動けない時も、元太がそばにいてくれるから安心したし、頑張れた。元太は俺と違ってポジティブで、元太と一緒にいると、頑張ろうって思えるんだ。

「ごめん、も、大丈夫、、」

「ずっと気持ち悪いね」

「んー、、薬のせいだって言ってたから、、大丈夫」

俺は最近始めた薬の副作用が強くて、ずっと気持ち悪い。でも治療を頑張れば治るって信じてるから、やめたいとは思わない。

「おれも、次またやるのやだなー」

俺と元太は同じ病気。完治を目指して頑張ってるけど、進んだり戻ったりで、詳しいことはよく分からないけど、1人じゃとても戦えそうにない。

「でも、一緒に頑張るって決めたじゃん」

「そうだね。頑張る」

たまたま同じ時期に入院してきたっていうのもあるけど、元太と俺は一瞬で仲良くなった。最悪だと思っていた入院生活も、元太のお陰で、嫌思い出ばかりではなくなった。

「元太、海斗くん、調子はどう？」

いつもきてくれる元太のお父さん。スラってしてて、とってもカッコいい。元太のママは随分前に死んじゃったらしくて、元太とパパの2人で暮らしているんだって。

「ぱぱー！おれは大丈夫！かいとはね、しんどかったんだー」

「もう大丈夫だよ」

「ゆっくりしてね。そうだ、新しい本を買ってきたよ。海斗くんも、調子のいい時に読んでね」

元太のパパは、いつもいろんな本を買ってきてくれる。俺にも読んでいいよって言ってくれて、俺はそれを読んで、元太のパパに報告するのが大好きだった。

「この間の、読んだよ、、にじいろのさかな」

「そっか。海斗くんはどう思った？」

ここはこうだよね、こうだったらよかったよねって俺の話を聞いて、分かるように言葉にしてくれた。俺のパパよりも随分若い元太のパパは、なんだかお兄ちゃんみたいで、素直に話を聞けたし、もっと話したいと思った。

「また来るね」

元太のパパがきたり、俺のママが来たり、そうやって毎日変わらずに過ぎていく。どっちかが治って退院するまで、それはずっと続いていくと思ってた。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す