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照明を落として、不安そうな如恵留くんの手を握る。身体を温めて暫くすると、睡眠の足りない身体は、あっさりと眠りに落ちた。
「ここからだね」
何事もなく眠れればいい。でも、そうもいかないだろうから。
「如恵留くん?」
1時間くらい経っただろうか。突然如恵留くんの身体が小刻みに震えて、呼吸が乱れる。
「海人、ヘルプ」
ナースコールで海人を呼んで、すぐにバイタルを確認する。
「如恵留くん、聞こえるー?」
如恵留くんは恐怖に顔を歪めて、ボロボロと涙を流しながら、声を上げる。怖くて、怖くて、言葉にできないような、そんな印象だった。
「のえるくーん、一回背中起こそうねー」
海人が抱き上げて、背中を摩る。
「や、やだ、、やだ、、、」
「大丈夫、大丈夫。1人じゃないよ」
「戻っておいでー。夢はおしまいだよー」
海人と2人で何度も声をかけて、漸く心拍数も落ち着いてきた頃に、目が合った。
「え、、しめちゃん、せんせ、、うみくん、」
「ずっと一緒にいたよ」
「ん、、怖かった、、けど、、2人の声、聞こえた」
「何があっても、絶対のえるくんのこと守るから大丈夫だよ。心配しなくていいから」
「もう一回、眠れそう?」
そう聞いても頷かない如恵留くんに、棚から猫のぬいぐるみを渡す。猫が大好きな如恵留くんに、お母さんが用意してくれたぬいぐるみ。ベッド脇に置くのはもう赤ちゃんじゃないからやめるとか言って棚に置いていたけど、今はあった方がいいんじゃないかなって。
「ねこちゃんと一緒に寝てもらったら?」
「ねこちゃんじゃないよ、、しらす」
「そうだ、しらすちゃん」
そう言ってしらすちゃんを抱きしめると、フッと身体の力が抜ける。
「眠れそう。また、助けてくれる?」
「いつでも呼んで」
そういうと安心したように目を閉じる。
「ありがとうね、、」
少し大人びた口調でギュッと猫のぬいぐるみを抱きしめているのが可愛くて、つい頬を撫でてしまう。
「ちょっと、起きちゃうからやめて」
海人に怒られて、仕方なくその場を離れる。きっと、もう大丈夫だね。
--こわい夢--
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イカ(プロフ) - ユルピさん» 遅くなってしまい、申し訳ありませんでした💦 (2023年4月6日 12時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
ユルピ - イカさん» お話見ました!とても如恵留くんが頑張っている様子が伝わり感動しました!また、リクエストしますね〜 (2023年4月6日 8時) (レス) @page44 id: 05904f8bd6 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - こんにちは!ざっくりとしたリクエストだったのにも関わらず、とても素敵なお話にして下さり、ありがとうございました♡何度も読み返し楽しませて頂きます!これからもイカ様の作品を楽しみにしています(*^^*) (2022年12月12日 10時) (レス) id: 1f31f14422 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 睡眠さん» お待たせして申し訳ありません。「ずっと、一緒に」にお話を更新させて頂きました。お読みいただけると嬉しいです。 (2022年12月12日 8時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 睡眠さん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。ずっと、一緒にへのリクエストありがとうございます。少しお時間をいただくかもしれませんが、お待ちいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。 (2022年12月4日 22時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イカ | 作成日時:2022年10月8日 23時