熱2 ページ15
とりあえず、インフルじゃなくてよかった。
検査のあと、しばらくビクビクしていた二人も今はそんなこと忘れて眠っている。
ところが二人の熱は上がり、9度を超えてしまった。
さすがにこれは辛そうで、熱を下げるために座薬を入れることにした。
太一「大丈夫か？」
太一も往診に来た。
なるべく嫌なことをすると感づかれないように気をつけなければいけない。
怖がってしまったらやりにくくなるだろうから。
並べて寝かされた翔と雅紀。下から布団を捲られ、オムツを脱がされたあたりで目を覚ます。
太「いいこ、いいこ。よしよし。」
ヤバイと思ったこっちは頭を撫でておやすみーまだ寝ててねーとごまかすのに必死。
寝ぼけ眼でぼーっとしているうちに膝を抱えこまされ上からぎゅーっと体重をかけられた。
ごめんねー…
雅「…！うぅぅ」
松「翔もちょっと我慢だよー。」
足でキックしてくる翔と雅紀を無視して入れる。
太「…はーい、おしまーい。」
パッと抑えているのをやめて、服を戻しながらよしよし撫でてあげると
素直に撫でられもうすぐ寝てくれそうだ。
弱ってるからかそれなりに抵抗してきたが無事終了。
ーーーーーーーーーーーー
潤「んっ、…。」
コト…ゴロゴロ…
A「あ、潤、ちょっと待って！」
只今、翔と雅紀以外は食事中。
Aが智にご飯をやっているのを、潤が待ちきれなかったみたいだ。
傾いて転がったお茶碗の中に顔を突っ込もうとだんだん前に倒れてきた潤。
松「おっと。待って、待て、潤！」
手を洗って帰ってきた松岡がその肩を抑えてお茶碗を支えてあげる。
少し目をずらすと、和の口からはみ出したものを太一が拭いてやっているところだ。
最後に、小さく切って、温めて柔らかくしたリンゴを、手を使って食べさせた。
指先を器用に使えない五人に、指先を使わせようという、太一の考え。
五人はいつも、グチャッとリンゴを握り潰すように掴んだ手を迷わず口に運ぶのだ。
口の周りが汚れるのも気にせず。
たまに口に入らず落としてしまう事もある。
そんなこんなで食事の時も目が離せない。
「ああっ、智。手拭いてないのにどっか行かないの。」と首根っこを掴まれたり…
和也のご飯が終わり太一は翔と雅紀のところへ
目が覚めた二人の口に、リンゴを入れてる。
モグモグ、ごっくんと飲み込むのを確認すると次を口の先に突き、あーんとさせる繰り返し
数日後、熱が下がり元気に回復。
その姿に笑みがこぼれる松岡、A、太一
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作者名：Rainy | 作成日時：2013年6月22日 22時
