すげぇツッコんでるとこ悪いんだけどさ、うん。狸じゃなくて同じ穴のムジナだからな空?あ、パート15だぜ♪ (ページ36)

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あの時はページ36

Aさん、骸側で…空君たちと敵対してたんだっけ
その時にあの扇を使ってた記憶がぼんやりとある

フ…

なんて思っている間に、Aさんは目を瞑って扇を閉じた状態で持っていた

その様子を見てどうしたんだろう？って思ったけど、なんだか凄く集中している感じがして黙ってそれを見守っていると

「……“天つ風(あまつかぜ)”」

ブアッ！！！

「うわっ！？」

Aさんが静かにそう呟いて扇を一気に開き、下から上へと振り上げた瞬間、物凄い爆風がAさんを中心に巻き起こった
い、いきなり何！？

「今のはなんだ？A？」

「…天つ風は、幻術に純度100％の霧属性の死ぬ気の炎を織り交ぜて構成する幻術製の防御術」

そこでリボーンが疑問に思ったことをAさんに尋ねてくれた
け、けどなんか難しい言葉ばっかりで分かんね―――！！

「……簡単に言えば、幻覚で私たちの姿が敵に見つからないようにしたんだよ」

すると、それを読み取ったかのようにAさんは噛み砕いて説明してくれた

「あの…ですが何故今になって？」

「……皆、大事な人を守るために戦ってる。近くにいないのは、ここにいてくれれば大丈夫だって安心してるから」

すると今度はユニがそう尋ねていて…

「でも……戦いが苦しくなったら、不安が心をかすめる。“ここで負けたらもう終わり”って緊張は普段以上の力を出すかもしれないけど、死ぬリスクだって高くなる」

それに対してAさんはただ静かに答えていた

「だけど…“自分が負けても大丈夫。…沢田綱吉なら、大事な人を必ず守ってくれる”って信頼があれば…安心があれば、死んでまで守ろうとしない」

その言葉は、凄く心に響いた
それでなんとなく分かって

Aさんも多分俺と同じことを考えてるんだって

負けてもいいってわけじゃない
でも、誰かを守るために誰かが死ぬことは絶対にあっちゃいけなくて……そのために今、自分ができる事をやっているだけだって

俺には今、ユニを…皆を守るって役目があるから
だから今は獄寺君たちと同じ場所で戦えないけど、それでもやっぱり一緒に戦ってるんだよな

「だから……ただ、それだけ」

「…ありがとうAさん！」

そう考えると、不思議に力が湧いてくるような気がして俺は気付かせてくれたAさんにお礼を言った

……あれっ？
ってそーいえば俺、初めてAさんに名前で呼んでもらってた？