標的231 充電 ページ26
「それじゃ、皆また後でねっ」
「はいっ」
バジルさんを寝かせておいた後、俺達は今度こそ地上を散策することになった
最初は商店街とかを歩いてたんだけど、その内母さんたちは家に帰りたいって言い出して、別れて見ることになったんだ
父さんとハルさん、ビアンキさんがハルさんのお家へ
母さんと了平さんが自分のお家へ
隼人さんは一人でどこかに行ってしまって
俺は…どうしよっかなぁ〜
竹さんたちに下手に会いに行っても、相手からすれば8年も経ってるし、巻き込む可能性だってあるし…
「うーつほ！お前も俺達と一緒に来いよ!」
「うわっハイ！？」
なんて思っていると、いきなり武さんに後ろから肩を叩かれ、驚きながらも俺達は公園に向かうことにしたんだけど
「あ、そういえばよ」
「はい？」
ふいに向かってる途中で話しかけられる
なんだろう？
「あの懐中時計って何か謂れがあるのか？大事なモノだって言っただろ？」
「あ、はいっ！凄く大事なものなんです！昔、父さんに貰ったもので…」
ﾁｬﾘ…
思わず、ポケットに入れた時計を触る
11年前のあの時、父さんに貰った時計
「…これを貰ったの、Aが攫われた5歳の時なんです」
「え？それって…」
「前にも話しましたけど…Aが攫われた時、俺はすぐ近くにいたのに何も出来なくて……後悔でいっぱいでした」
今でも、思い出すと胸が苦しくなる
兄貴なのに、俺はAを守れなかったから
凄く悔しいし、悲しいし、情けなかった
「そんな時、父さんがこれをくれて…こういったんです」
確かキッカケは、俺が叫んだ言葉だったと思う
『Aが攫われるくらいなら、俺が攫われればよかったんだ！』
そう叫んだ瞬間、頬に暖かい手が触れて
目の前にあった父さんの顔は、見た事がないくらい悲しそうで
「“Aと空は双子で、同じ時を刻んでる。どっちが欠けても駄目なんだ。だから、空はこの時計を持っててくれる？Aが戻るまで、肌身離さずに”」
今思うと、時計なのはボンゴレだからってのもあった気がする
だけど何より、父さんも苦しかったあの時に言われた言葉こそが宝物で
「…いい親父さんだな」
「はいっ」
あの時、一番父さんが頼もしく思えたんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオイ(プロフ) - 柚子sherbetさん» ここは結構前からあったのでようやく書けてよかったですｗそうですよ…あのヘタレ炎がようやく告白の決心ですよ…！何やら感慨深いものですｗ (2014年8月26日 22時) (
レス) id: 75557f8640 (このIDを非表示/違反報告)
柚子sherbet(プロフ) - 炎が（珍しく）シリアスだ！と思ってｷｭﾝｷｭﾝしてたら、一気に笑いに変えられてしまいました（笑）でもこのテンションの落差が気にならないって本当にすごい技量ですね！て言うか、肝心な処でヘタレてた炎が告白って…遂にと言うか、やっとと言うか。応援してますww (2014年8月26日 10時) (レス) id: 5ee1e287b2 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 炎李.@ﾎﾞﾄﾞ必読さん» 了解です！それじゃパスのコメは消しておきますね！ (2014年8月26日 10時) (レス) id: 75557f8640 (このIDを非表示/違反報告)
炎李.@ﾎﾞﾄﾞ必読(プロフ) - アオイさん» わかりました！では、作ったら報告しますね！ (2014年8月26日 9時) (レス) id: 0ea034fa29 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 炎李.@ﾎﾞﾄﾞ必読さん» お願いしますっ！特にないのでお任せしますね！ (2014年8月26日 9時) (レス) id: 75557f8640 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオイ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yumenusi202/
作成日時：2014年7月4日 23時
