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184.父の背中 ページ34

 相変わらず猪頭少年の興奮は冷めらやず、

 列車の窓の外に顔を出している。


「スゲえ!スゲえ!速え!ハハハハ!」

「危ない!バカ…この…」

「俺、外に出て走るから、どっちが速いか競争する!」

「バカにも程があるだろ!」



「危険だぞ。いつ鬼が出てくるか分からないんだ。」


「え?嘘でしょ!鬼、出るんですか?この汽車。」

「出る!」

「出んのかい!いや〜!

 鬼の所に移動してるんじゃなく、ここに出るの?

 い〜や〜!俺降りる!」


 黄色い少年は大きな声で悲鳴を上げ出した。


「短期間のうちに、

 この汽車で40人以上の人が行方不明となっている。

 数名の剣士を送り込んだが、全員消息を絶った。


 だから柱である俺が来た!」



 車掌さんが切符の確認をして切り込みを入れた時、

 不穏な空気が一体を包んだ。


 …いるな。


 俺は日輪刀を手に取ると、車掌さんに話しかけた。


「車掌さん、危険だから下がってくれ!

 火急のこと故、帯刀は不問にしていただきたい!」


 列車内の電球が怪しく点灯し始めると、

 汽車の床から大きな鬼が現れた。


「その巨躯を!!隠していたのは血鬼術か。

 気配も探りづらかった。しかし!

 罪なき人に牙を剥こうものならば、

 この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!!」



 炎の呼吸 壱ノ型 不知火!!


 鬼の頸を斬り落とすと、宙で弾けて消えていった。


「すごい…一撃で鬼の頸を…」


 まだ気配がするな…

 これが無限列車の鬼なのか?

 少し違うもののような気もする。


「もう1匹いるな。ついてこい!」


 

 列車の後方へ向かうと、

 手足の長い鬼が逃げ遅れた人を襲おうとしていた。



 

 その鬼も仕留めることができた。

 仕留めることができたんだ。


 しかし、その後からの記憶が曖昧で…

 どうやら眠りに落ちてしまったらしい。









 * * *





 目を覚ますと、そこは俺の生家だった。

 うたた寝してしまっていたのか…?

 目の前には父が横になって書物を読んでいる。


 ん?俺は何をしに来た?

 手を動かすと、日輪刀に触れた。

 そうだ。父上へ報告だ。柱になったことを。


 父は黙ったまま、俺の話を聞いてくれている。


「柱になったからなんだ。

 くだらん。どうでもいい。

 どうせ大した者にはなれないんだ。お前も。俺も。」



 その背中は小さく見えた。

 昔は大きく、逞しく見えた背中が。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 完結おめでとうございます。途中思わぬ展開に驚きましたが、最後は悲しさもあるけれど、なんだか暖かな気持ちになりました。あとがきの狐姫様の言葉に色々と考えるきっかけになりました。次の作品も楽しみにしています。素敵な作品をありがとうございました♡ (7月8日 21時) (レス) @page50 id: 4bde5e03bb (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん!感動したと言っていただき、大変光栄です♡完結まで書けたのも、エリスさんをはじめ、応援してくださる読者様のお陰です!感謝申し上げます!番外編、新作等でもまたお会いできると嬉しいです(*˙˘˙*) (7月8日 19時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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