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175.お館様のお言葉 ページ25

 お館様がお呼びになったということは、

 恐らく任務のことだろう。


 いつものように隊服を着て、

 羽織を身につけ、お館様の屋敷へと向かう。




「杏寿郎、来てくれてありがとう。」


「いえ!」


「実は杏寿郎に頼みたいことがあるんだ。

 鬼の情報が入ってね。

 数名の隊士を向かわせたのだけれど、

 皆、消息を絶ってしまった。


 人々にも被害が出始めている。

 行方不明者が大勢いるようなんだ。

 詳しいことは調査を進めているところだが、

 ぜひ、柱である杏寿郎に討伐をお願いしたい。」



 なるほど。聞いたところによると、かなりの強敵。

 十二鬼月の可能性もある。


「お任せください!」


「頼もしいね。よろしく頼むよ。」


 俺がお辞儀をして顔を上げると、

 お館様は優しく微笑んで口を開いた。



「杏寿郎」


「はい!」


「杏寿郎とAの決断は間違いではないよ。

 この前の炭治郎のことを受けて、

 揺らいだこともあったと思うが、

 誰が何と言おうと君たちは間違ってはいない。」



 目の奥が熱くなるのを感じた。

 あの日、柱合会議の後から心の奥にしまっていた感情が

 一気に身体中に溢れ出した。



「お館様、俺は柱として情けないことに

 Aが鬼になったと分かった時、

 心が揺れてしまいました。

 彼女は必死に自分を斬ってくれと言うのに…

 俺は躊躇ってしまった。


 どうすることもできないと分かっていながら、

 斬るしかないと頭では分かっていながら、

 自分の頸を斬ろうとする彼女の手を止めてしまいました。」



「それも間違いではないよ。

 Aは杏寿郎にとって特別な人だったのだろう?

 杏寿郎の反応は正しいことだよ。


 Aが禰󠄀豆子と同じように、

 人を襲わない鬼になれたかどうかなんて誰にも分からない。


 これからどうすべきか、

 杏寿郎は自分自身で分かっているのだろう。

 私は杏寿郎を信じているよ。」




 苦しいほどに張り詰めていた糸が

 お館様の言葉を聞いて、途端に緩んだ。



「お館様…」


「君の活躍を期待しているよ。」


「御意。」



 もう一度深く頭を下げると、

 俺は日輪刀を携えて、その場をあとにしようとした。

 すると、不意に後ろから声をかけられた。


「出陣ですか?」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 小鈴さん» 感想ありがとうございます!最後までお読みいただき光栄です。物語は読んでもらってこそ生きるものだと私は思うので、この作品を見つけてくださり、そして読んでくださったこと、本当にありがとうございます! (11月15日 18時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
小鈴(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。途中からずっと、涙なしでは見られませんでした。この作品の主人公と煉獄さんに出会えて本当に良かったです! (11月14日 22時) (レス) @page50 id: 97399e389e (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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