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152.彼女が遭遇した鬼 ページ2

 

 かなりの強敵…?

 十二鬼月なのだろうか?

 そうだとするならば一刻も早く助太刀に入らなくては!


「要!案内を頼むぞ!」

 
 俺は無我夢中になって駆け出した。


 仮に相手が十二鬼月だとして、それが上弦だとするならば、

 柱3人分の強さに匹敵する。


 Aが強い剣士であることは重々承知のこと。

 勿論、彼女を信じている…

 しかし…

 

 かなりの距離を走った。

 それはもう、足の感覚などなくなるくらいに夢中に。

 走っている間もAのことばかりが浮かんできて

 胸が酷く痛んだ。


 時期に夜明けだ。

 

 桜が静かに散りゆく桜並木の先に、

 大きな湖が見えてきた。



 そのすぐそば、力なく横たわるのは…

 愛おしいAの姿だった。




「A…?A!A…!!!

 どうした!!しっかりしろ!!」


 近くに鬼の気配は感じられない。

 Aが倒したのか?

 それとも夜明けが近く、逃げ出したのだろうか。


 俺はAを抱き寄せた。


 ぐったりとした身体。

 凄まじい闘いだったのだろう。

 彼女の綺麗な顔に無数の切り傷が刻まれている。


 右肩の辺りからじわじわと出血しているようだ。


 出血は多いが、大丈夫だ。まだ息をしている。

 きっと助かる!助けてみせる!!


 目を閉じたままのAを呼び覚ますように

 俺は何度も彼女の名前を呼んだ。



 やっとのことで薄く目を開けたAは、

 何かを伝えようと必死に口を動かしている。


「A!何があった!?」


「…き…ぶつ…じ…鬼舞辻…無惨…」


 鬼舞辻無惨…!?まさか鬼の始祖に!?


「鬼舞辻に会ったのか!?」


「うん…でも、ごめん…逃してしまった…

 もう少しで陽光が射したのになあ…ごめん…」


 小さな命の炎が今にも消えてしまいそうで、
 
 俺は強く彼女を抱きしめた。

 柔らかな頬に触れれば、まだ温かくてほっとするのに、

 何かを悟ったかのような彼女の表情に目が熱くなる。


「A、これから一緒に花見をする約束だろう?

 夏には籍を入れて、俺たちは夫婦になるのだろう?

 今、手当てをするから…呼吸で…」



 俺がAの肩を手ぬぐいで抑えようとした時、

 彼女は突然震え出した。


「ううう…」


「A?」


 急激にAの力が強くなり、

 俺は彼女に突き飛ばされてしまった。


「くっ…」


 この気配、まさか…

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 小鈴さん» 感想ありがとうございます!最後までお読みいただき光栄です。物語は読んでもらってこそ生きるものだと私は思うので、この作品を見つけてくださり、そして読んでくださったこと、本当にありがとうございます! (2022年11月15日 18時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
小鈴(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。途中からずっと、涙なしでは見られませんでした。この作品の主人公と煉獄さんに出会えて本当に良かったです! (2022年11月14日 22時) (レス) @page50 id: 97399e389e (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (2022年7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (2022年7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (2022年7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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