検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:30,020 hit

148.私が守る ページ48

「A…陽介を…陽介を!!」

 私にしがみつく母の手は震えていた。

「大丈夫。必ず助けるから、みんなは少し離れていて。」


 鬼は(よだれ)を垂らしながら

 ジリジリと弟の陽介に近づく。


「動かないで!!」


 すると凄まじいスピードで

 突然鬼の手が伸びてきて、私の足首を掴もうとした。

 こちらは見ていなかったはずなのに…
 

「炎の呼吸 壱ノ型 不知火!!」


 業火と共に鬼の手は地面に落ちた。

 しかし頸を斬らなければ意味がない。



「貴様…俺の手を斬ったな…?後悔させてやる…」


 刀を握り直すと私は鬼の背後に回り込み、弟の前に立った。

 弟には指一本触れさせはしない!


「陽介、そこから動かないでおいてね。」

「…うん!」


 おそらくこの鬼は異能の鬼だ。

 後ろを向いていても私のいる場所が特定されてしまった。

 360度気を抜いてはいけない。


 どうすれば…



「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天!!」


「…残念だなぁ。

 お前ごときでは俺の頸など斬れはしない。」


 冷静に、落ち着いて考えよう。

 まずは鬼の目が追いつかないほどに

 素早く技を繰り出して頸を斬る隙を狙おう。


 杏寿郎が気づかせてくれた私の特技、

 連続攻撃で…


 全集中…


 研ぎ澄ませ。

 頭のてっぺんから足の先まで…いや、日輪刀の刃先まで!!



 炎の呼吸 壱ノ型 不知火!!


 やはり防がれてしまった…

 次は上から下への斬撃…!


 参ノ型 気炎万象!!


「全然だなぁ…」


 大丈夫、まだ攻撃に繋げられる!


 弐ノ型 昇り炎天…!!


 振り上げられた刀を今度は渦巻く炎のような技へ…


 肆ノ型 盛炎のうねり!!!



「ははは!!鬼狩りなどこんなものなのか!

 大したことはないな!!」



「お姉ちゃん…!!」



 急激に脳裏に浮かんだのはあの日、

 初めて鬼に遭遇した日の記憶の欠片(かけら)


 守れなかった愛しい人…

 もう誰も理不尽に傷つけさせないと誓った。


 大切なことをたくさん教えてくれた大事な仲間、

 杏寿郎…


「先程の攻撃、

 それはまるでAが舞を踊っているようだった。

 君の淡紅色の羽織がひらひらと舞い散る桜のようで…

 とても美しいと思い、思わず見惚れてしまった。」


 


 そうだ…!!

149.桜火乱舞→←147.家族に忍び寄る鬼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
144人がお気に入り
設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。