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114.二つの影 ページ14

〈その頃、洞窟の外にて〉



「あっ相之助さん。」


「なんですか?」



 炎柱の指示の下、田所相之助と谷山花子は洞窟の外にて

 鬼が出てくることに備えていた。



「相之助さんはその…好きな人とかいるのですか?」


「好きな人…ですか?

 花子さん任務中ですからその話はまた後で…」



 橙色に染まり始めた空

 地には二人の影が洞窟に向かって伸びていた。




「ということは…好きな人、いるんですね?」


 相之助は、はあっと大きなため息を一つこぼす。


「お慕いしている人はいます。」



「えっ!?…だ、誰ですか!?

 私の知っているお人ですか?」



「それは…内緒です。」



 相之助の言葉に花子は頬を膨らませて俯いた。



「花子さんは分かりやすいです。

 恋しているという表情(かお)をしています。」



「えっ!!そ、そうですか!?」



 目を落とした相之助は、

 夕闇に溶けて消えそうな声で花子に呟いた。




「素敵なことだと思いますよ。


 

 ただ、周りが見えなくなってはいけない。」






「相之助さん?今何か言いましたか?」







「いえ。

 ただ、何が本当の幸せなのかだけは

  忘れないでくださいね。」





「は、はあ…」






 夕日が山へと沈み始めた時、


 洞窟の中から黒い影が物凄い速さで出てきた。




「花子さん!!」


「はっはい!!」





「外にも人間がいたのか…

 お前たちも鬼殺隊だな?失せろ。」




 狼のような男は二人を睨みつけると

 満月が浮かび始めた空の下を四足歩行で駆け出した。



「お前を市街地へは行かせない!」




「フンッ。お前たち、中にいたものよりも弱いな?

 俺は分かるのだ…



 ついこの前、あの方に血を分け与えてもらったからな…

 力がみなぎっている。」





「あの方…?まさか…!」




 鬼は遠吠えのように月に向かって吠えると、

 自身の腕に噛みついて術を発動させた。




「血鬼術…


 紅月呪縛(こうげつじゅばく)





「くっ…!!身体が…動かない!!」



「相之助さん…!鬼が…」




 鬼は瞬く間に山を駆け降りていく。


 その後を追うように、

 
 すかさず洞窟の中から二人の隊士が出てきた。






「炎柱…!Aさん…!!」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

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