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128.待ち合わせ ページ28

甘味処を出て花子さんと別れると

 私はある人と待ち合わせをしている

 場所を目指して一人歩いていた。


 街を抜けると、次第に人々の声は聞こえなくなり、

 土の道を歩んで大きな木が一本そびえ立つ

 草花の生い茂る平原についた。


 あたり一面に紫色の桔梗の花が咲き誇っている。


「綺麗…」


 大きな木の下に歩み寄ると、

 地面には葉の影がゆらゆらと揺れている。



 辺りを見回しても、まだ待ち人は来ていないようだった。



 真っ青な空には雲ひとつなく

 快晴というにふさわしい天気だ。



 地面に腰を下ろそうかと考えたが、
 
 せっかく着てきた着物が汚れると嫌だから

 木陰で立って待つことにした。


 鬼殺隊に入ってからは隊服で過ごすことの方が多いから、

 休みの日に着物を着ると気持ちが明るくなる。



 すると不意に背後から誰かに手で目隠しをされた。


 
 ふわりと香る匂いですぐにその人が

 私の待ち人だと分かった。



「ふふ。杏寿郎?」


「ははは!分かってしまったか!」


「残念でした。」


 杏寿郎はそのまま私を背後から抱きしめた。

 頬に当たる彼の髪がくすぐったい。


 柱合会議の後、忙しくしていた杏寿郎と任務や屋敷以外で

 会うのは久しぶりだ。


「着物、よく似合っている。」


「ありがとう。」


 くるりと杏寿郎に身体を向けると、

 彼はおもむろに私の左手をとった。


 袴姿の杏寿郎は気品のある大人の男性で

 その大きくあたたかい手に胸が高鳴る。





「A」

129.永遠の愛→←127.彼女と甘味処



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

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