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40.木陰 ページ40

杏寿郎の髪がさらさらと風に揺れ


 太陽の光を集めては煌めいている。



 「君は綺麗だ。」





 それはきっと誰にでも言う褒め言葉なのだと思う。




 杏寿郎はまっすぐな人だ。



 思ったことは素直に伝えてくれる人だ。



 素直…?



 つまりは本当に思っているということ…?



 いや、でもそれはあくまでも剣技のこと…!



 剣士として剣技が美しいと言ってもらえるなんて



 最高の褒め言葉だ。





「ありがとう!決して立派なものではないけど、

 杏寿郎に褒めてもらえて少し自信がついたよ。」




 嬉しいなあ…でもここで満足してはいけない。


 もっと精度を高めていかなければ…



 そんなことを考えていると、不意に頬に手を添えられた。




「…ん?杏寿郎どうかした?」







 ゆっくりと離れた手は



 行き場を失ったように宙に浮いたまま。





「いや、なんでもない。」




「そう…?それならいいんだけど…」




「ひとまず、稽古は今日で終いだな!」





「そうだね!本当にありがとうございました。

 実は今朝方に伝令が入って、

 明日からここから少し離れた

 湿原地帯の任務に行くことになったの。」




「そうか!他に隊士はいるのか?」




「うん!でも階級は私より下みたい。

 杏寿郎みたいに後輩を上手く導けるか不安だけど、

 私なりに頑張ってみようと思う!」




 私が意気込んでそう告げると、


 杏寿郎は私の背中を優しく押した。




「君なら大丈夫だ!

 俺の頼れる相棒だからな!」







 優しい陽だまりの中



 気づき始めてしまった心を照らされまいと



 私はおもむろに木陰に歩みを進める。





 木の根のそば、


 真っ赤な落ち葉に身を焦がした天道虫がついている。




「君は隠れるのが上手だね。」




 私の心も同じように隠してはくれないでしょうか。



 それができぬのなら



 せめてあの人を悲しませないように


 
 この気持ちを無きものにしてはくれませんか。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 読者の皆様へ


 ここまでお読みいただき、

 さらにはお気に入り登録、評価をしてくださり、

 本当にありがとうございます!

 たくさんの方に読んでいただけて嬉しいです!

 更新頻度が以前より落ちてしまい申し訳ないですが、

 仕事や私生活等落ち着いたら頑張りますね!



 狐姫

41.絵描きの男→←39.青に舞う紅



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - ハウンさん» ハウンさん、こちらこそお読みいただきありがとうございます!引き込まれると言ってくださり大変光栄です!続編も更新しましたので、引き継ぎお楽しみいただけるよう頑張りますね! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、ありがとうございます!まっすぐな煉獄さんの深い愛情が表現できていれば…と思います。これからもそんな彼を言葉だけではなく、仕草や態度での表現ができるように努めたいところです! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハウン(プロフ) - 素敵な作品を作っていただきありがとうございます!ものすごく感情移入してしまって胸が締め付けられるくらい引き込まれました!続編楽しみにしてます! (2022年2月28日 23時) (レス) id: 065a2165a6 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 今日も煉獄さんが素敵だ。押し付けがましいところは一切なく、ただただ彼女の幸せを願い笑顔を作れる彼は本当に素敵。 (2022年2月28日 21時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 彼はあまり内緒話など出来なさそうですよね(笑) 巧いだなんて言っていただけて…嬉しすぎて今夜は幸せな気持ちで眠れそうです〜!いつもありがとうございます。 (2022年2月26日 21時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年2月5日 21時

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