人生を謳歌しようと思った矢先にこれだよ。

２６．“ぴえん”はともかく“ぱおん”はほんとに意味不明 ページ26

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あ、ちなみに今ぼくは伯洋と一緒に楽器のセッティングをしています。



うへぇ…エレキ、アコギ、ベース…


キーボードにドラムもあるじゃん…！



伯洋の部屋には、一通りバンドに必要な楽器が揃ってた。

すっげぇ！！




必死にバイトしてるのは知ってたけど、
一体いくらかかったのでしょう？





「…ドラムもやってみるか？」




目を輝かせていたぼくを見て、伯洋はワクワクとした様子で聞いてきた。




「教えてくれるの…！？」


「おう…！」




伯洋も何か楽しそうだな。




意外と音楽の先生とか向いてそう…？

それを伝えると、




「いや…瑠璃波は身体弱くて出来ねぇし、親父は音楽よりもFBIになれって言うし…」




強制はされねぇけど…と不満げに補足した。






そうか、やっぱり父ちゃんは伯洋にFBIになってほしかったのか。




でも強制しないあたり、伯洋のやりたい事を優先させてあげてるのかな。




「だから…
音楽興味あるやつが身近にいて、」




そこまで言うと、ぼくの顔をチラッとみて、
そっぽを向きながらゴホンと咳払いをした。




「い、妹が、興味もってくれて…
その、嬉しい。」



「はぁ〜…」





ああ、何でしょうこの男子高校生。




かわいさカンストしてません？


しかもツンデレちょっと入ってない？




「わ、悪い。流石にキモかったよな…」



「違う。あまりの尊さに吐息が。」


「は…？」




やっべ、本音がついポロッと。



伯洋は、尊さ…？ってオウム返しして首を傾げてた。




あ、そっか。


まだこの時代だと“尊い”は流行ってないのか。




そうそう。


転生してんじゃんってなった時に、
カレンダーを何となく見たんだけど、
ぼくが死んだ年よりも前だったんだよね。




ぼくが死んだのが202X年。




そしてぼくが転生…




つまり再び生を受けたのが2003年。



前世のぼくが育ってきた年まるまる巻き戻したって感じだ。




本当にやり直し…みたいな。




だから地デジに変わるのを2回も見てるんだよね。


わぁー。何かずるい！



未来予知()が出来ちまうな！



これぞチート(ずる)。




まあ本当に今後“尊い”とか“ぴえん”が流行るかは知らんけど。




てか“ぴえん”って何だよ。(今更)




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