LOVE

レストラン ページ20

西島「着いたよ〜」



にっしーは車を駐車場にとめて



急いで助手席のドアを開けて



手をとり、優しくリードしてくれる……



こんなやりとり、まわりから見たら



すごく、キザな男の人だなとか




お姫様扱いされて羨ましいなぁって



思うだろうけど……私の場合は



介護だから……



西島「足元気を付けてね！
砂利道だから」



A「…ありがとうございます」



西島「敬語使わなくて良いよ」




A「……でも」




西島「いいの！俺が嫌なの！
なんか距離を感じちゃうから」



A「じゃあ…敬語やめる」




西島「そうして！」



A「波の音…すごく近い」



西島「めっちゃ海がすぐそこなんだよ！
お店のつくりもオシャレでね
屋根が水色で、壁が真っ白で
その壁が…なんて説明したらわかるかな…
こう、魚のうろこみたいに
シャァーシャァーってなってんの…
あぁ、うまく表現出来な〜い」




A「ありがと、なんとなく
想像できるから」




西島「俺の言葉が勉強不足だから」



A「私の目が見えないのが
悪いだけだから、気にしないで」




西島「……でもさぁ、こんな可愛いくて
オシャレな店、伝えたいんだ…」




A「大丈夫！伝わったから！
お腹すいちゃったな」




西島「中入ろう！料理も美味しいから！」



A「うん！」




にっしーはとっても優しい人



目の見えない私に一生懸命



いろいろと教えてくれようとしてくれる…



……でもね、その優しさが



私には、辛いんだよ……



普通の女の子には、そんなこと



しないでしょ？



お店の外観なんて、説明しないでしょ？

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