思考が完全にアレ ページ26
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「うれしくないの」
作業室にやってきたユンギから、定時報告のように何位に上がってたと聞かされて、ふーん、といつものように空返事をすれば、ぬっと顔を覗き込まれてそんなことを聞かれた。
「いや、うれしくないわけじゃないけど。なんかよくわかんない」
「なにが」
「うーん…数字だから」
「は?」
とても間抜けな顔で、何言ってんだこいつみたいな目をしてるミン・ユンギ。
やー、本当にこの子これでもアイドルなの?視線が冷たすぎるんだけど??
「それだけの数の人たちに会って感想を言われたわけでもないし、人前で歌ったわけでもないもん。直接反応を見てないからほんとなのかなーって。どっか他人事っていうか。実感がないんだよね」
「…贅沢者め」
「あはは。そうかもね〜」
確かにランキング次第で一喜一憂して、いろんなことが決まってしまうこの子たちにしたら、とても贅沢で、ムカつくこと言ってるんだろうな、私。
そんな話をしたことすらすっかり忘れてたある日。
出勤すれば、今日も超絶かわいいミョリンちゃんから「代表が呼んでましたよ〜」と伝言。一気にテンションガタ落ち。
今来たところだけどもう帰りたい。
「えぇ〜めんどくさいーいやだー」
「ダメですよぉオンニ。私ちゃんと伝えましたからねっ」
うわぁ…めっ!って怒った顔もかわいいなぁ…撫で回してぺろぺろしたいくらい。
…はっ!?
いかんいかん。いかんぞ、A。
疲れのせいで思考が完全に犯罪者一歩手前まできてる。
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作者名:tnk | 作成日時:2016年10月16日 22時