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チャレッソ私! ページ23

*


そんなイレギュラーな日がありながらも、なんとか日常を取り戻していたとある日。


わたし、キム・A。
頑張りました。
すんごぉーっく頑張りました。

大事なことなので二回言いました。


そしてついに!
その頑張りを見せるときが来たのです!



指がちぎれそうなくらい重い袋を両手に下げて、たどり着いた目的地。
小窓から覗けば、きつそうなダンスを踊るメンバーが見えた。
そう、ただいま彼らは後続曲『쩔어』のダンス練習中なのです。

わたしも動悸息切れがハンパないっす。あと少し頑張るのよ私!と自分で自分に気合を入れて、練習室のドアを足で押し開ける。あ、お行儀が悪いのは見逃してくださいねー。


「お、つかれぇ…」
「わ、Aヌナだー!」
「ヌナのほうがおつかれだね?」


…おかしいな、ほんとはもっとこう、爽やかなお姉さんモードで「はっはー皆の者!ごきげんいかがかなー!」みたいな感じで登場したかったんだけど。全然イメトレ通りじゃないぞ。


「Aヌナ〜生きてたね!」
「テテもね」
「いひひ、どうしたのヌナがここまで来るなんて〜」
「ほんと。珍しいね」


猿のごとくしがみついてくるテテを始め、みんなが珍しがるのもまぁ無理はない。いつもなら根っこが生えたみたいに作業室から出ないわたしのとこにみんなが来る方だしね。


だがしかぁーし!
今日はいつもとは違うのであーる!!
なぜならば!


「お祝いです!」
「おいわい?」
「そう。一位おめでとうって言ってなかったからお祝いしに来ました」


どさりと、ようやく大量の袋を床に置いて、ガサゴソと袋を開ければわー!っと群がってくる男たち。
まだ何かも言ってないのに。いい嗅覚してるなほんと。


「チキンだ!」
「そうですチキンです」
「ヌナのおごり!?」
「そうですおごりです」
「まーじー!!ヌナ最高!」
「ぐえっ」


ぎゅーっとグクに抱きつかれて、いや、締めあげられて変な声が出た。

こ、こいつ、またでかくなってる…羨ましい。顔はまだまだ子供なくせに。新手の詐欺か。



*

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作者名:tnk | 作成日時:2016年10月16日 22時

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