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33 互いの感情 ページ34

炭治郎side


「どうしたんだ?」


未だに詰まっている鼻をすすりながら俺は彼女に耳を傾ける。


「私、炭治郎がすき」


あまりにもその一言はさりげなく唐突で。
俺の頭で理解するのにかなりの秒数を要した。

流れる五秒程度の沈黙。

そして俺がはっきりと頭で理解した後、
俺は顔を真っ赤に染めて変な汗と感情が溢れだした。


「す、すき!?…俺を?」

「うん、炭治郎がすき」


「図々しい?」なんて彼女は俺の方を控えめに見てから逸らす。
俺はその彼女の姿が今までに見たことがないほどに恥じらいを持ち照れているのに驚く。
ずっと俺を弄んできたようなものなのに急に。

俺はすぐさま返事をしなくちゃと思い勢いのまま話す。


「すき、俺も好きだよ」


俺は長男だし告白もできる機会があるのなら俺から言いたかった。
まさかAの方からそんな天にも昇るような嬉しい言葉を聞けるなんて。
俺はてっきり全く好意を持ってもらってないのだろうと思っていた。

今日はらしくない自分ばかりだ、情けないななんて思うけど、それどころじゃない。
これは完全に両想いだ、何故かまた泣きそうになってしまう。
恋って本当に何なんだろう、完全に振り回されてばっかだ。


「…!、本当!?…炭治郎はモテるだろうし無理だろうと思ってた」

「え?何を言っているんだ」

「だって炭治郎は女の子には誰でも優しくしてたから…」


嫉妬?だろうか、だとしたら俺はどんな顔をしていればいいのだろう。
ただでさえ顔が赤くなってしまっているのに。
女の子に優しくするのは最低限のマナーみたいなもの、所謂当たり前。
だからこそ些細な事で嫉妬するぐらい俺を気にかけていたことにびっくりしてしまう。


「他の男の子と仲良くなって恋仲に発展しそうになっても私の外見や下心だけで近づいてくる人が多くてそのまま去ってしまう、だから炭治郎もきっとそうなんだ…なんて思ってた」

「………」

「でもパンを食べようって言ってくれたり、倉庫まで助けに来てくれたり、私のことで泣いてくれた…そういう部分にも惹かれたし、炭治郎に会いたいなって思う頻度も高くなったし自然と恋してるんだって気づいた」


ぎゅっと胸が締め付けられる。
彼女は先ほどと同じように恥じらいながら話す。
前までは恥じらいなんてなく胸を押し付けてくるような大胆少女だったのに。

食べてしまいたくなるくらいにふんわりとした彼女に俺はもがき耐える。

34 キス→←32 泣いて



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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , キメツ学園   
作品ジャンル:恋愛
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年4月5日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - chiaki0708さん» 本当に感謝です、指摘いただいてなかったら一生あのままでした…泣 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 77e8970457 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - 俺の???彼氏???夢主ちゃんおとこ? (2021年12月3日 22時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - りんないさん» コメントありがとうございます…!夢主ちゃんとことん可愛く脚色させて頂きました、私も可愛く生まれたかったです(笑)更新遅めですが頑張らせて頂きます! (2020年6月8日 1時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
りんない - 炭治郎がいろいろ困ってるのかわいすぎます…!夢主ちゃんみたいな可愛い子に生まれたかった…更新頑張ってください!! (2020年5月30日 19時) (レス) id: 99e12d5a0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2020年5月21日 2時

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