31 やるせなさ ページ32
炭治郎side
金属バットに鞭、そして体のラインを際立たされるように縛ってある縄。
そしてその縄に縛られマットの上に寝転がるA。
制服は若干乱れていた。
俺は周りの男をよそに彼女に一直線で走った。
そしてAをぎゅっと抱き寄せる。
男達は俺の行動に呆気に取られた。
奴らには目もくれずに俺は彼女の容態を確認した。
「Aっ！！」
顔は疲れ切っていて痣が見えた。
手首を締め付けていた縄を一生懸命解きにかかる。
「てめぇ、勝手な真似すんじゃねえ！」
男の一人がAから俺を引き剥がそうとする。
俺は必死に抵抗した、叩かれもしたが今は何も気にならなかった。
「もっと早くに気づいてあげられれば……」
目頭が熱くなり申し訳なさでいっぱいになる。
彼女はまだ目を伏せたままで意識を失っているように見えた。
手首の縄を解き自由を与えた。
そして周りにいた男たちを突き飛ばす、これは自己防衛だ。
マットに倒れ込むAを抱きかかえる。
姫抱きを咄嗟にこなし倉庫の外へと走った。
保健室、保健室……。
歩いている途中で先ほど男どもに多少殴られたのを思い出し脚が痛んだ。
俺はどこまで情けないのだろう。
劣等感にかられている暇はないが心は沈みかけていた。
「竈門！？」
前を向くと冨岡先生がこちらへとかけてきた。
その後を追うように宇髄先生も。
「こりゃあ、喧嘩か？」
「あの、体育館倉庫でひと悶着あって…」
俺は必死に言葉を繋いだ。
冨岡先生と宇髄先生の表情は緊迫した。
「分かった、竈門。お前は保健室に急げ」
冨岡先生に「頼んだ」と背中を押され俺はそのままの勢いで保健室を目指した。
痛かったろう、辛かったろう。
自然と涙がぽたりと落ちた。
よくよく考えれば気づけたのだ。
「たんじろう……」
「A…！」
俺が零した涙を拭いながら彼女はゆっくりと目を覚ました。
それと直後に保健室にたどり着きベットに下ろす。
急いで保健室の先生に容態を伝えて見てもらう。
痣や出血、ちょっとした打撲。
彼女はされるがままに治療を施された。
俺も怪我した部分は手当てをしてもらう。
そしてようやく事が落ち着いた時。
彼女は目を覚まし俺と目を合わせた。
彼女はベットにいて俺はそれを見つめる状態で椅子に座っている。
「ありがとう炭治郎」
体が痛いはずなのに彼女は俺の方に身を乗り出す。
そしてそのまま体を俺にあずけた。
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琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました！ありがとうございました🙇 (2022年4月5日 17時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - chiaki0708さん» 本当に感謝です、指摘いただいてなかったら一生あのままでした…泣 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 77e8970457 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - 俺の？？？彼氏？？？夢主ちゃんおとこ？ (2021年12月3日 22時) (レス) @page39 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - りんないさん» コメントありがとうございます…！夢主ちゃんとことん可愛く脚色させて頂きました、私も可愛く生まれたかったです(笑)更新遅めですが頑張らせて頂きます！ (2020年6月8日 1時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
りんない - 炭治郎がいろいろ困ってるのかわいすぎます…！夢主ちゃんみたいな可愛い子に生まれたかった…更新頑張ってください！！ (2020年5月30日 19時) (レス) id: 99e12d5a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわむにゃ | 作成日時：2020年5月21日 2時
