#95『YES or NO』 ページ10
そもそも探偵社は灰色の仕事をするとはいえ合法組織。一方マフィアは完全な黒の非合法組織。調和をする前提が違う。
「その通り。マフィアは面目と恩讐の組織。部下には探偵社に面目を潰された者も多いからねぇ」
その前に襲撃するな、探偵社員は思った。
マフィアが好き勝手に事務所に襲撃するから、応戦する羽目になる。
森の後ろで黒蜥蜴が下を向いた。
彼らも探偵社に襲撃を仕掛け、見事に返り討ちにあい、窓から捨てられた一人だ。
「私の部下も何度も殺されかけているが?」
「だが死んでいない。マフィアとして恥づべき限りだ」
「・・・・・・ふむ。ではこうするのはどうだ?」
福沢は鞘に手をかけた。そして、莫大な殺気が放出される。
「今、此処で過去の全てを精算する」
そう言い福沢は刀を抜いた。
立原と銀は自身達の長を守ろうと福沢に飛びかかった。その瞬間、銀の小刀、立原の銃頭が切られた。
銀と立原は後ろを振り返った。反応する前に切られてしまった。
森は福沢の刀を軽やかに躱し、福沢の首元に手術刀を、一方福沢は刀を福沢の首元に置いた。
「刀をを捨てた筈では?孤剣士『銀狼』――――――福沢殿」
「手術刀で人を殺す不躾は相変わらずだな――――――森先生」
「相変わらずの幼女趣味か?」
「相変わらず猫と喋っているので?」
1寸最後のは要らなかっらな、朔は思った。
その時雪になって福沢が消えた。
森は後ろを振り返った。
そこには木に隠れたフードを被った谷崎がいた。
今まで森が見ていたのは谷崎が作った幻影だったのだ。
本当の福沢が進み出た。
「・・・・・・立体現像の異能力者か」
森は苦虫を噛み潰したように顔を顰めた。
「楽しい会議でした続きは孰れ戦場で」
森は福沢に背を向け歩きはじめた。
「今夜、探偵社は詛いの異能力者“Q”の奪還に動く」
福沢は自らの次の行動を明かした。
「・・・・・・それが?」
森は振り返った。
「今夜だけは邪魔をするな互いのために」
「何故」
「其れが我々の唯一の共通点だからだ――――――この街を愛してる」
「街に生き、街を守る組織として、異国の異能力者に焼かせる訳にはゆかぬ」
「組合は強い探偵社には勝てません」
まったくもってその通りだ。
組合にもマフィアにも劣る探偵社に勝ち目は殆ど無い。
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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時