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#87『悲しみを消すように』 ページ2

尚も飛びかかろうとする敦にヘルメットを投げつけ、地面に座り込んでいるナオミと噎せている春野の手を掴み、駅の裏に隠れた。

敦は何かにうなされているのか、駅を破壊している。


「朔さん、ありがとうございます……敦さんは?」

「敵異能力者に精神攻撃にあってるようですね……」


……マフィアも本気という事か


朔は駅の破壊音を背中に感じながらナオミ達を見た。


「朔さん……!」

ナオミ達が絶句した。朔の顔には痣が刻み込まれ、ワイシャツは赤くなり酷い怪我を負っている事が分かった。




「大丈夫ですから。それより……」


そう言い朔はしゃがんだ。そして(見えていないが)ナオミと春野を見た。


「僕が中島さんを相手します。御二方は此処に居て下さい。後、一つ約束して下さい」


朔はナオミと春野の震えている手を握った。


「中島さんを嫌いにならないで下さい。彼のせいでは無い」


朔の真剣な声にナオミと春野は力強く頷いた。

「勿論です」

「当たり前ですわ!」

その返答に朔は微笑みを浮べた。

「朔さん!」

ナオミが単身で敦に向かおうとしている朔を呼び止めた。

「お気を付けてください」

朔は頷くと怪我を感じさせない軽やかな動きで敦の前に躍り出た。


朔には自身が持っていた暗器を使うという選択肢は残されていない。


そもそも、太宰に愛用の短刀は取り上げられ、その他の物は中也に破壊された。


朔は虎化した腕で殴りかかって来る敦の攻撃を音を頼りに避け続けた。


太宰が来るまで時間を稼ぐために、ただ避ける。


敦の脳内にはきっと彼の過去が浮かび上がっている所だろう。敦はずっと血の涙を流しながら朔に攻撃してきた。

さっきまで避け続けいた朔だが、いきなり上体を引くすると敦の懐に突っ込み、蹴りを鳩尾に叩き込んだ。


中也と違い、軽い敦は吹っ飛ぶと思ったが、虎の爪が朔の鳩尾に刺さった。
朔は驚きに顔を染めた。


そして、逆の方向から襲って来た虎の爪を腕で受け止めた。
朔は一旦後方に飛んだ。

#88『限界』→←#86『夢野久作』



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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時

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