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#125『うずまき』 ページ39

その喫茶所は




探偵社が入った建物の




1回にあって




休憩中の探偵社が




よく屯しています



敦が元気よくうずまきのドアを開けた。

そして、手にある書類を掲げ、



「皆さん、新しい依頼です。何方か希望者は・・・・・・」



屯している探偵社員は言った。



「パス」


探偵社員――――――国木田と鏡花、敦を除く――――は『うずまき』の机やソファに体を預けていた。



「反動だね・・・・・・」

誰ともなく呟いた。


「燃え尽き症候群だよ。組合戦は創立以来の大激戦だったから・・・・・・」


常に仕事をしていない太宰が言った。


「あれ? そう言えば国木田さんは?」


「上。何か逆にやる気出てた」


朔達が下に降りてくる時に般若顔で書類送検を取り組んでいた。


・・・・・・ホラーでしか無かった



「おばちゃん、おかわり」


太宰がコーヒーカップをうずまきのおばちゃん――――の愛称で親しまれている――――に差し出した。


「おばちゃん、僕にもコーヒーを・・・・・・」


「おばちゃん、カレー」


「はいはい、甘いヤツね」


「おばちゃん・・・・・・なにか元気の出る奴・・・・・・」


「二日酔いの薬は無いよ」


探偵社の自分勝手な言葉におばちゃんは笑顔で答えた。

まるで大勢の子供を相手する母親のようだ。


「済みません、ご迷惑をおかけして」


敦はあまりにも独りよがりな探偵社員を見て、おばちゃんに頭を下げた。


「あら、若い人が遠慮なんかしてたら駄目よ。太宰ちゃんなんて今日もツケよ? 半年も払ってないのに」


その言葉に敦は太宰を白い目で見た。


「おばちゃんは最高にいい女だよ」


太宰がくさいセリフを吐いた


「やだよう、あんた皆にそう言ってんだろ!」


おばちゃんの叩きが太宰の後頭部に強烈に入り、太宰は思いっきりコーヒーを被ることになった。


朔は気だるげな体を起こし、おばちゃんに封筒を差し出した。


「朔ちゃんが態々、払わなくてもいいよ」


「いえ、そのお金を太宰さんのツケにお使いください」


「朔君!君は実に良い人だ!」


太宰は朔の手を握りしめた。
朔は鬱陶しいそうに顔を顰め、手を振りほどいた。

「それは、国木田さんから預かった太宰さんの今月分の給料です」


「朔君酷い!」


「酷いのはツケを溜め続けていた貴方でしょう」


太宰の心にジャックナイフのような朔のツッコミがが突き刺さった。

#126『燃え尽き症候群』→←#124『日陰者』



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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時

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